「大興奮と涙、涙」ゴジラ キング・オブ・モンスターズ シンドラーの手帳さんの映画レビュー(感想・評価)
大興奮と涙、涙
オリジナルのゴジラへのオマージュてんこ盛りだが、それもいわゆる昭和ゴジラへの偏愛ぶりが窺える。
一番よくわかるのが、チャン・ツィーが双子である点だ。「小美人」は昭和ゴジラでのみザ・ピーナッツであった。
その他、キングギドラの出自や、モスラの歌のアレンジが南海的であることなどからも明らかだと思う。エンドロールで、ゴジラのテーマ、モスラの歌が演奏された時に不覚にも涙が出た。
それでも、米ハリウッドのアイデンテティも強く押し出される。最も感じたのは、怪獣のバトルが、つまりは野生動物のバトルの巨大版といった呈で、極めてリアルである。この点は映画製作の原点を見る感じがして大興奮。
すなわち、キングギドラの首3本は「蛇」であり、龍ではないし、モスラはあくまで「蛾」であり、モフモフのぬいぐるみではない。ラドンの飛行は「鳥」の動きで、途中の回転形状はペンギンの水中飛行を思わせる。そして、ゴジラはどうかというと、ギドラに噛み付き、即物的に投げ捨てるのだ。「ワニ」であろう。
意外だったのは、欧米製作にもかかわらずアミニズムへのリスペクトも感ぜられる。八百万の神と更にその中で最強の神による大団円、死生観も東洋的であったと思う。
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