「ゴジラファンなら嬉しい点と、微妙な点」ゴジラ キング・オブ・モンスターズ Nataliyaさんの映画レビュー(感想・評価)
ゴジラファンなら嬉しい点と、微妙な点
私自身採点形式で映画を評価するのが苦手だったのもあって今までこういったサイトで映画レビューを書いたことは無かったが、今作はネタバレしながら言いたいことが山ほどあったため初めてレビューを書いている。
「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」は、デブゴジラで有名なハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」に連なるモンスターバース作品の第3作目だ。
ゴジラとムートーの激闘から5年、鳴りをひそめる巨大生物に怯える人類だったが、空気の読めないテロリストが次々と眠っていた巨大モンスターを叩き起してしまう。人類と巨大生物、ひいては地球との共存をテーマとして、一連のお祭り騒ぎを巨大生物の研究組織モナークとやたら怪獣に詳しいラッセル一家の視点で追う映画だ。
-------------ここからネタバレ線-------------
ゴジラ、モスラ、ラドン、キングギドラと言えばやはり「三大怪獣 地球最大の決戦」を思い出さずにはいられない。「三大怪獣 地球最大の決戦」はゴジラが初めて人類の味方になった作品であり、後のシリーズでも絶対悪として君臨し続けるキングギドラが初登場した作品でもある。
ゴジラとキングギドラの切っても切れないライバル関係は、今作でもしっかり時間を割いて描かれていたように思う。
そのキングギドラの圧倒的な強さは今作でも健在であり、序盤にも関わらずラスボス感の漂う登場シーンはスクリーン越しに恐ろしさを感じるほど。
その他にもラドンが火山から翼を広げるシーン、そしてラストのバーニングゴジラなど、リスペクトを所々で感じる演出が嬉しかった。
しかし、これはどうなんだ?と思うシーンも多かった。もちろん全く新しい作品なので東映ゴジラに忠実に描けという気は毛頭ないのだが、ゴジラファンが見るとそれはちょっと…と思うシーンが。
ゴジラ抹殺兵器の代表格であるオキシジェンデストロイヤーを適当に撃った挙句ゴジラを殺しきれていないのはあまりに雑だと感じたし、後半からおまけ程度で出てくる怪獣も「お前誰やねん…」というやつばかりでほんとにおまけ程度の出演をして映画が終わる。
中でも個人的に許せなかったのはラドンの扱いだった。キングギドラが地球を襲撃してきた際には、同じ地球の守護神としてゴジラやモスラと共にキングギドラに幾度となく立ち向かったあのラドンが、あのラドンが、、、終盤にはなんとキングギドラの助太刀に入りモスラをいじめて、あろうことかキングギドラに勝ったゴジラが吠えれば手のひら返してひれ伏す小悪党のような怪獣になっているではないか。えぇ……
人生で初めて泣いた映画のシーンが「空の大怪獣 ラドン」のラストだった筆者は、今作のラドンの描き方が好きではない。超嫌いだ。
それから賛否両論ある人間ドラマのパートだが、勝手に人類を破滅の瀬戸際まで追い込むオカンの計画性の無さが見ててしんどかった。最後は自己犠牲でいい事した風だったけど、今回の元凶はお前やぞ…
反対に、渡辺謙演じる芹沢博士の勇士とゴジラとの対話は見ていて色々な感情が込み上げてきて物凄く良いパートだった。人間サイドは間違いなく彼の優勝。
総じて非常に楽しい映画だったし、怪獣のド迫力バトルは思う存分楽しめるが、どうしてもゴジラファンとして微妙な点が残ってしまう作品だったように感じる。
コメント頂いた方ありがとうございます
ラドンのキャラがスネ夫みたいでしたねーw
でも急降下とか空中旋回とかのアクションシーンは、誰が見ても文句無しの出来で嬉しかったです!