「神話世界の頂上決戦」ゴジラ キング・オブ・モンスターズ しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
神話世界の頂上決戦
モンスター・ヴァース第3作。
TCX(Dolby-ATOMS)で鑑賞(字幕,レイトショー)。
この感激この喜び。ハリウッド版「三大怪獣 地球最大の決戦」降臨。製作がアナウンスされた時から想像・妄想・煩悶を繰り返しながら待ちわびていたぞこの瞬間を!
ムートーとの戦いに勝利し海中へ姿を消したゴジラ。人類を救った救世主となったゴジラでしたが、本作ではさらにその上を行く真の怪獣王となるための戦いへ赴きました。
「キングコング:髑髏島の巨神」のラストで触れられていた神話世界の大怪獣たちによる、現代を舞台に古より宿命づけられた頂上決戦の火蓋が切って落とされました。
ゴジラ。ラドン。モスラ。キングギドラ。日本が誇るスター怪獣が総出演。彼らの久方ぶりの共演がハリウッド製作の超大作映画で実現したことがまずすご過ぎるんです。
リスペクトを捧げつつハリウッド・テイストが加えられたデザイン―蔑ろにしてはいけない部分を取り入れつつ独自の味つけを施すセンスの塊。鳴き声も踏襲されていました。
怪獣たちが世界を席巻し、人類は絶滅の危機に瀕してしまいました。特にキングギドラが発生させる嵐の渦中では、太陽の光を遮る分厚い雲が立ち込め、文明を根こそぎ破壊し尽くすかのような世紀末的ビジュアルに震えました。
四大怪獣がクライマックスで繰り広げた大バトルは、とてつもなくてエゲつない迫力。ゴジラVSキングギドラ、モスラVSラドンなど、対決バリエーションが胸アツでした。
全編の随所に大小問わず過去作へのオマージュがふんだんに捧げられていましたが、最後の最後でまさかのバーニングゴジラが登場するだなんて。興奮で気絶しそうでした。
親子の再生を描くメイン・ストーリーは王道且つツッコミどころ満載で正直微妙でしたが、注目すべきは芹沢猪四郎博士の勇気ある行動でしょう。なかなかの衝撃でした。
オキシジェン・デストロイヤーの攻撃で瀕死の状態に陥ったゴジラを復活させるために、核弾頭を持って彼の住み処へ。ゴジラを見つめながらの「さらば、友よ」。名シーン!
かつてゴジラを葬った人物と同じ名前のキャラが、その命と引き換えにゴジラを蘇らせる役目を担いました。逆転の発想に度肝を抜かれると共に、止めどない涙が溢れました。
全てが終わりゴジラは「キング・オブ・モンスターズ」の座に。怪獣たちが足元にかしずく中、頂きで天高く轟かせた咆哮は威厳に満ち、何者も寄せつけない気高さがありました。
しかし、ゴジラにはまだ戦わなければならない相手がいる。もちろん髑髏島の巨神との戦いです。コングとの正真正銘の王を決める死闘の決着は来年までお預け。待ち切れない!
[余談1]
「ゴジラのテーマ」や「モスラの歌」をアレンジして使用していることが事前に明かされていましたが、これほどまでにそのまんまとは。ほぼ原曲スコアではありませんか!
しかも、その使い方が効果的だのなんのって。ここぞと云う時に素晴らしいタイミングで流れるものだからテンションが上がり過ぎて訳の分からないことになりました。
伊福部先生。古関先生。あなた方のつくった音楽がハリウッドの超大作映画で流れました。まさかこんな日が来るだなんてなぁ…。世界中の人たちが聴いてくれましたよ!
[余談2]
エンドロールで弔意が捧げられたおふたりについて。
「ゴジラ対ヘドラ」の監督であり、製作総指揮として前作と本作に携わられた坂野義光さん。元々は「ゴジラ対ヘドラ」の続編をつくろうとハリウッドで活動されていたそうな。それが発展し今に至る。故人の働き掛けが無かったら、モンスター・バース自体誕生していなかったかもしれない。
そして、もうひと方。初代スーツアクターとして18年もの間ご活躍され、「ミスター・ゴジラ」の異名を持つ中島春雄さん。「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」撮影時、ゴジラのスーツから顔を出して、微笑んでいる姿を写したスナップ写真が出て来た瞬間、またもや落涙してしまいました。
ここまでしてくれるのかと感無量でした。前作のギャレス・エドワーズ監督よりも激しいゴジラ愛を感じたマイケル・ドハティ監督。あなたに任せて良かった(←誰目線なのか)。
[余談3]
チャン・ツィイー…双子。祖父母の頃から双子。小美人のヒオとマナのように隣の人と顔を見交わして「双子!」とハモりたい衝動に駆られました。なんのことか分からない方は、「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」をご覧下さい。
[余談4]
モンスター・ゼロ。日本語にすると怪物0。
お前らさてはX星人だな!
キングギドラも実は宇宙超怪獣だったし…(笑)。
[以降の鑑賞記録]
2019/06/09:TOHOシネマズなんば(IMAX 3D,字幕)
2019/12/22:Blu-ray(吹替)
2019/12/22:Ultra HD Blu-ray(字幕)
2020/05/02:WOWOWシネマ(字幕)
2020/07/01:WOWOWシネマ(字幕)
2020/07/26:WOWOWプライム(吹替)
2021/01/03:Ultra HD Blu-ray(字幕)
2021/05/20:Ultra HD Blu-ray(字幕)
2021/05/29:土曜プレミアム
※修正(2024/01/01)
shu-32さんへ
ToshiさんからもHerselfだったと教えて頂きました。で、2回目、目を見開いてエンドロールを眺めたんですが、見落としてしまい…
「この前来たキャバクラ、この辺だったのに見つけられへん…」な気分でしたw
自分が思っていたことをすべて書いていただいた感があります
ありがとうございます
本作は前作ハリウッド版の歯がゆい思いを吹き飛ばしてくれました
ドハティ監督で本当によかったです!
拍手ですか?気持ち分かりますw
私も、ギドラの首を放射線流で、遺伝子レベルで崩壊せしめた場面では、ガッツポーズしてしまいました!
ちなみに、私の横には中国人三人組(女史2+男子1)が居たんですが、上映後、弾けまくってました。ゴジラは万国のテラーアイドルなんだと実感しました!
早速ご覧になられましたね。
この感激!この喜び! 予想以上の激アツゴジラ映画でしたね!
マイケル・ドハティ監督の手腕にはただただ脱帽です。正直言うと、次回『ゴジラvsコング』も手掛けて欲しいくらい。
称えたくなる“キング・オブ・ムービー”でした!
『ゴジラvsコング』まで後10ヶ月。
こちらもやはり期待しちゃいます♪(^^)
syu-32さんのレビュー楽しみにしてました!
核を持って自爆という点だけが引っ掛かったため
4点にしてしまったのですが、
もうちょっと素直になればよかったと反省してます(笑)
アラン・ジョナはもしかするとX星人?
う~ん、次回作がますます楽しみになりますね。
shu-32さんのレビュー、お待ちしておりました!エンドロール最後の遺影。瞬間落涙した俺でした…
まさに、さらば友よ、ですかね!勿論、抱え切れないリスペクトを、込めてですが!