劇場公開日 2018年10月19日

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「【コメディ?いや骨太なお金啓発系ドラマ映画でした】」億男 3104arataさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【コメディ?いや骨太なお金啓発系ドラマ映画でした】

2021年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

・2018年公開の日本のお金啓発系ドラマ映画。
・兄の借金3000万を肩代わりして夜も寝ずに働いていた主人公一男(佐藤健さん)が、ある日宝くじで3億円を当てるも大学時代の親友(大富豪)に持っていかれてしまう。一男が彼を追っていくなかで様々な人と出会いお金や家族・友情について改めて考えさせられていく、という大枠ストーリー。
※原作「億男」は読んだことありません。

[お薦めのポイント]
・パッケージからは想像し難いしっかりした啓発映画
・お金の存在、を自分なりに考えるきっかけを与えてくれる
・(演技含めて)キャラクターが個性的で見入ってしまう

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[物語]
・奪われた3億円を探し求めるロード-ムービー。その中で出会う人や事柄で自分の人生を見つめなおしていく。一見、よくあるロードムービー。しかし、「宝くじで当てた3億円を追う」という面白い軸がよくあるロードムービーさを感じにくくしてくれています。なので、序盤からしっかり見入ってしまいます。その中に「お金」「家族」「友情」という3つの哲学を創り手目線で提示をしてくれており、とはいえ、決して普遍的な答えを出すわけでもなく、視聴者が考えるきっかけをくれるような、見ごたえのある物語だと思います。

[演出]
・原作を読んでいないのでもともとのキャラクターがどうあるか、はわかりません。しかし、全てのキャラクターの個性がとても際立った演技演出になっていると思います。不甲斐なさが際立つ佐藤健さん、どもり×天才が強い味となる高橋一生さん、怪しい関西弁でふるまいつつも核心を突いた発言をする北村一輝さん…監督と役者さんが一人一人のキャラクターづくりを丁寧にしたからこそ流れるように観れる映画になっているのでは、と感じました。

[映像]
・「ハゲタカ」シリーズを観ている方ならすぐにわかると思いますが、大友監督の太陽や空をうまく使った広い画角のシーンが素敵。ドラマ映画ってわざわざ映画館で観なくても…って思ってしまいますが、こういう壮大さがあるとスクリーンで観る意味、を感じざるを得ません。とても印象強くなる映像演出だと思いました。

[音楽]
・こちらも「ハゲタカ」シリーズを観ている人ならすぐにわかると思いますが、大事なシーンでオーケストラのような重厚感の音楽を合わせ来る感じが非常に素敵ですね。これだけで映画の重みが強くなります。
・そんな社会派で安定感のある大人な演出をされているかと思いきや、ラストにBUMP OF CHICKENを主題歌に持ってくるあたり、しびれました。笑

[演技・配役]
・演出でも書きましたが、キャラクターづくりがとても素敵だなぁと思いました。藤原さん演じる「千住」と沢尻エリカさん演じる「安田」は怪しすぎる×突拍子もない行動すぎて、時代錯誤感が強くなってしまい共感できませんでした💦それでもインパクトのあるキャラクターであることは確かです。

[全体]
・映画広告のタイトルテロップが黄金色で「億男」。なんとなくコメディタッチなにおいがプンプンしていましたが、実際に観るとまるで違います。結構骨太なヒューマンドラマ、お金系啓発ドラマ、です。一番印象的だったのが、北村一輝さん演じる百瀬が発した「今君の頭の中でお金がいったりきたりしただけや」という趣旨の台詞。お金だけではなく、人間のシアワセとか不幸とか、そういうもの一切が頭の中で繰り広げられる妄想でしかない、という原理原則をつきつけられた感じです。極論ではありますが。笑 ただ、この理屈やテクニックだけで普段感じている不幸の90%以上が解決できるのでは、と思わざるを得ませんね。
・何気なくながら観ようとした映画でしたが、鑑賞しだすと一気に引き込まれてしまった映画「億男」。是非一度、ご覧になってみてはいかがでしょうか。ありがとうございました。

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3104arata