ミスミソウのレビュー・感想・評価
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初主演映画にスプラッター復讐劇を選ぶ山田杏奈の心意気
はかなげな美少女の山田杏奈、本作が映画初主演だという。本人も所属事務所もよく受けたものだと感心する。凄惨なスプラッター描写にばかり目が行きそうなジャンル映画ではあるが、実はこのヒロイン、悲しみや絶望、激しい怒りといったさまざまな感情をあまり表情を変えず繊細に演じることを求められる難しい役だ。しかも雪が降りしきる極寒地での過酷なロケ撮影で、他の若いキャストたちも含めよくぞ演じきったと思う。
内藤瑛亮監督の作品は『パズル』『ライチ☆光クラブ』を観たが、良い意味で「狂気をはらむ映画」の作り手の有望株だ。これからどんどんメジャーになっていくのだろうが、優等生的な作り手の多い商業映画の世界で異彩を放ち続けてほしい。
R指定版『中学生日記』
愚かな中学生たちが愚かな理由で憎み合い愚かにも殺し合う映画。社会派なのか露悪なのかイマイチ判然としない不気味さが荒唐無稽な殺戮劇にある種の神聖さを与えているという演出は原作由来であり、本作はその秀逸な再現といえる。
派手な殺傷は単なる中学生のナイーブな衝動の誇張表現であり、その根底にあるのは『中学生日記』的な本当にしょうもないありふれた愛憎譚だ。そんなものを見せられたところで中学時代の思い出が一つ二つ明滅するだけで、間違っても現代社会についての深遠なる何事かが判明したとは思えない。
「青春の誇張」で思い出すのは相米慎二『台風クラブ』だが、こちらはグロ描写という安易な飛び道具に頼らず、登場人物一人一人の個性に由来した身振りやセリフによって青春の痛みを描いている。本作の殺傷シーンはどれも見てくれは派手だが、「ただいま、おかえり」と繰り返しながら少年がドアを開閉する『台風クラブ』のワンシーンの衝撃には遠く及ばない。
唯一良かった点といえばいじめの舞台として設定されている学校の裏庭の地形だ。真ん中に直径10メートルほどの大きな穴が空いていて、そこには粗大ゴミやら何やらが不法投棄されている。主人公は冒頭にてこの穴に突き落とされるのだが、関係性の高低を物理的な高低によって示すものとしてこれほどわかりやすい地形もない。
この場所は中盤に主人公の逆襲の舞台となるわけだが、そこでは穴の中に落とされたいじめっ子たちが獲物を持った主人公に追い回され、あの手この手で暴虐の限りを尽くされる。穴の底は常に悪意と怨念に満ちている。
めくるめく殺戮劇は案の定救いようのない結末へと辿り着くが、当たり前といえば当たり前だ。中学生という生き物は基本的に死んだほうがいいくらいのバカだから。そして万物が誇張されている本作においては「死んだほうがいい」という比喩表現が本物の死として表出する。ただそれだけのこと。
いやあ、死ねないまま25すよ、俺は。
コミック
序盤の不安は後半で吹き飛ばしてくれる
自分が好きそうな内容だったし、ここでの評価もまずまずだったから、それなりに期待していた。
どんな闇を抱えた興味深いキャラクターが出てくるのだろうかと期待していたわけだ。
しかし序盤はかなり退屈なイジメの場面ばかりで、ちょっとおかしな(常軌を逸した)キャラクターもいたけれど、特に掘り下げもないので面白味もなかった。
復讐が始まれば良くなるかなと思っていたが、バイオレンス場面は、少々チープだったことと、痛みが伝わってこないせいで、何だか安っぽいコメディみたいだった。
これはハズレを引いたかなと半分諦めかけた。登場人物たちの背景が全くわからずペラペラなのが問題だと感じた。これは放火の場面が描写されていないのがいけないんだと考えていたら、まさかの後半で登場。
死んでしまってからキャラクターの闇を掘り下げる荒業にびっくりしたが、この辺りではもうかなり面白くなっていた。
決定的だったのは、ある人の手が血まみれだったシーンで、このからは斜面を転がるように面白さが加速していった。
結果としてなかなか楽しめたけれど、目玉なのかもしれないバイオレンス描写はちょっとイマイチだったかなと思う。
真っ白な雪に映えるコートの赤と血の赤は印象的で鮮烈ではあったけどね。
あとは、タイトルにもなっているミスミソウが、テーマや内容に絡んでなくて、極論を言えばほぼ全く関係なかったのが少し残念。ミスミソウの話があまりなかったというか、掘り下げ不足だったと思う。植物の掘り下げっていうのも何だかなあという気もするけれど。
映像美
結構グロ
ガッカリすることがあまりにも多くて、邦画ホラーは全く観なくなってしまったのですが、あまり期待しないで見て観たらわりとグロくて面白かったです。
過疎化している排他的な村で起こる壮絶なイジメ、というか完全に凶悪犯罪。閉塞感で息苦しいほどの過疎の村で、中学生たちが自発的に始めた「バトルロワイヤル」という感じ。
よくある邦画ホラーは、出演者のアイドルがキャーキャー切迫感のない演技だったり、意味もなく学生を性的に映すシーンでシラケることが多いですが、この作品には全くなく、出演者全ての演技が素晴らしかったです。
とくに大塚れなさんの迫真の演技が、無理目のトンデモストーリーをカバーしており、この作品のレベルを高く上げてくれていると思いました。大塚れなさんはこれからも期待したいです。
その他の生徒たち、先生、保護者役の俳優さんの演技力も素晴らしかったと思います。
漫画の実写版ということなので、トンデモストーリーなのは仕方がないのかなと思いました。
スノーバトルロワイアル
安物のホラー映画。
同級生の父親を階段から画鋲のついた靴でけり落としたり、いくら勢いとはいえ中学生が灯油ぶっかけて家族皆殺しにするとか、とにかくリアリティーがなさすぎる。コロンビアの麻薬カルテルじゃあるまいし。
原作は未読だが、漫画のセンセーショナルな部分だけを抽出して無理矢理映画にしたような、まさに継ぎ接ぎだらけの作品に思える。あるいは原作漫画が元々そんな作品なら映画化の際に脚色して、もっといい作品にできただろうに。
主人公をはじめとして、登場人物たちの人物像の描きこみが出来ておらず、生身の人間としてのリアリティーが一切感じられない。だからいじめのシーンを見ても不快ではあるが、それ以上のものを感じ取ることが出来ない。
全編通してごっこ遊びを見せられてるようだ。悩んでるごっこ、苦しんでるごっこ。よって登場人物たちの痛みも一切伝わってこない。
本作はうわべだけなぞっただけでまったく人間が描けてないのだ。
割り切って、スラッシャームービーとして楽しもうと思ったが、ゴア描写も新鮮味がないし、何を楽しんだらいいのか困る作品。
雪国が舞台なんだから血の色にもこだわらなきゃあダメ。あの血の色はないよ。白い雪に映える生々しい血の色でないとダメでしょう。
山田杏奈初主演作でご本人はつらい役を頑張ったと思うが、監督の才能がまったく追い付いてなかった残念な作品。
胸糞悪いけど面白い
狂気と愛は同じもの?
??
設定も演出も酷い
The story is unexpectable with po...
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