「スノーバトルロワイアル」ミスミソウ レントさんの映画レビュー(感想・評価)
スノーバトルロワイアル
安物のホラー映画。
同級生の父親を階段から画鋲のついた靴でけり落としたり、いくら勢いとはいえ中学生が灯油ぶっかけて家族皆殺しにするとか、とにかくリアリティーがなさすぎる。コロンビアの麻薬カルテルじゃあるまいし。
原作は未読だが、漫画のセンセーショナルな部分だけを抽出して無理矢理映画にしたような、まさに継ぎ接ぎだらけの作品に思える。あるいは原作漫画が元々そんな作品なら映画化の際に脚色して、もっといい作品にできただろうに。
主人公をはじめとして、登場人物たちの人物像の描きこみが出来ておらず、生身の人間としてのリアリティーが一切感じられない。だからいじめのシーンを見ても不快ではあるが、それ以上のものを感じ取ることが出来ない。
全編通してごっこ遊びを見せられてるようだ。悩んでるごっこ、苦しんでるごっこ。よって登場人物たちの痛みも一切伝わってこない。
本作はうわべだけなぞっただけでまったく人間が描けてないのだ。
割り切って、スラッシャームービーとして楽しもうと思ったが、ゴア描写も新鮮味がないし、何を楽しんだらいいのか困る作品。
雪国が舞台なんだから血の色にもこだわらなきゃあダメ。あの血の色はないよ。白い雪に映える生々しい血の色でないとダメでしょう。
山田杏奈初主演作でご本人はつらい役を頑張ったと思うが、監督の才能がまったく追い付いてなかった残念な作品。
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