赤色彗星倶楽部のレビュー・感想・評価
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実存主義
サルトルの著書『嘔吐』の中で提唱された哲学理論とのことだが、今作品のテーマであるのだろう、書籍も本作品に登場している。
早稲田大学映研の作品である本作は、現役大学生の稚拙だがそれなりに頭の良いスタッフ達の青春を凝縮した作品になっている。なので大学生にしては良く出来ている内容である。まぁ、あくまでも頭でっかちのストーリー構成だし、随分背伸びしたなぁという感想であるが。なので、頭の悪い自分には読み解く能力が欠如しているので大変観念的なイメージを抱いた内容である。だからカタルシスも勿論用意されていないし、ラストはそれこそ抽象的に纏められていて、まぁ、そういう映画もあってもいいんだろうという少し、俯瞰的観方に始終してしまうのだけどね。
大変、知的な印象をうけた映画でありました。おわり。※それ以上もそれ以下でもない
アートと魂の関係
まったく好みではない作品だったため、面白いとは感じられませんでした。
しかし、芸術についていろいろと考えることができたため、観た甲斐はあったかもしれないな、なんて思っています。
本作を観て感じたことは、とにかく技巧に凝っているな、というものでした。カメラワークとか、無音で感情表現するとか、写真のフラッシュにその場にいない子が映るとか、他にもいろいろと印象に残っており、それはすべて技巧的なものです。で、それらの技術は、すべて技術単体で存在しているように感じました。ドラマのために、いや登場する血の通った人間のためには使われていないと思います。悦に浸ってテクニックを披露しているので見てる方は醒める、みたいなイメージです。
本作には魂がないように思えました。まるで魂に触れることを恐れている印象すら受けます。途中のベタなお涙展開は「とりあえずこんなの入れとけばいいんじゃない?」といった傲慢さすら感じました。
核心に触れられないが故に、実存主義を引用したり、ギャグのようなものでごまかして逃げるのだと思います。
だからダメとは思わないし、テクだけで評価されるクールな芸術はあるとは思います。ただ、個人的にはダサいしクソな映画だな、と思った、それだけです。
フィルマークでなく此方で…
此方にレビューがないので書きます。
なかなか面白かった。実はよく知らないのですがPFFで賞を獲った作品というのも気になり、若手の頃撮られた作品なのに、もう映画として十分成り立ってました。青春映画は元々好きな人間なので、青春の中の人間関係の繊細な部分も良く切り取られていた思いますし、彗星を造る設定の意外性もあり良かったのでは。
私は特に未完成でも勢いとアイデアに溢れた若手監督作品が好きで、去年のMoosicLabはフルコンプ鑑賞しました。
その勢いという点からいくと、やはり輝樹さんのエレキ片手の恋の叫びと動きがぶっ飛んでいた所と布団スリスリのキモくとも男なら解る所がlab的で好印象。
演技では、保幸さんの自然な演技が目を引き、ここでは将来性一番の有望株ではないかと考えています。多分、近い将来、あちこちの映画で出演されるかもしれないかな、と。
あと、実優さんも自然ないい演技でヒロイン役を演じ切ってましたね。彼女は、ハルをさがして主演の彼女では?と勘違いしてしまう程よく似ていました。どちらも将来性ある演技派美人女優さんに違いはないです。
ひとみちゃん、いい味出してました。これぞ、lab的です。
母役のみどりさん。この映画から、ドラマや映画に出られる様、祈っております。
因みに、本当によく映画を観ますが、映画の本命はドキュメンタリー映画なので、武井監督が現在撮られているドキュメンタリー映画を楽しみにしております。
個人的感想は以上です。
PS おだやか革命、マジで半端ないです。
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