「どなたか教えてください」志乃ちゃんは自分の名前が言えない ミーメさんの映画レビュー(感想・評価)
どなたか教えてください
クリックして本文を読む
吃音で苦しむ南沙良が、蒔田彩珠とバンドを組むことで歌に目覚めていく。その過程が素晴らしい。賛否あろうが、光を活かした映像も美しい。が、萩原利久が絡んでくるあたりから、雲行きが怪しくなってくる。南はバンドをやめてしまい、さらには不登校に引きこもりとなる。その理由が理解できない。萩原が気に入らないことには違いないのだが、何故、引きこもりにまでなるのか。その後、萩原がおごろうが、謝ろうが、叱咤しようが変わらず。ようやく、蒔田と一緒に出掛けるところから新たな展開になりそうと思いきや、期待は裏切られる。海辺のバス停で一夜を明かし、そして夜明け。和解のシチュエーションとしては理想的と思ったら、ここで決裂が決定的となる。南の態度を理解できないままなので、コンサートのクライマックスシーンで、絶叫しながら心情を吐露する場面にも共感できない。これならば、歌を通して吃音を克服していくというベタな結末の方が良かった。
コメントする