「魔法の国はふたりを受け入れたのかな?」フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
魔法の国はふたりを受け入れたのかな?
映画を見てるのか、本当に生活している彼らをのぞいているのかわからなくなった。そこが良かった。
ムーニーはママのヘイリーとファンシーな紫の壁のモーテルに暮らしている。
1泊38ドルの宿泊料(家賃というとボビーが困るよね)で生きる。
30日だとして1140ドル。日本円で約114000円?
そんだけあれば家借りられないのかな?
家借りる方がハードル高いのかな?
ヘイリーはたしかにダメで、自業自得なんだけど、彼女も、よくない環境で育っていたならば、自業自得で片付けるのはどうだろうかと思う。
ヘイリーの育成歴は知らないけれどもね。
ディズニーワールドのすぐ側にある貧しい暮らし。
子供らは与えられた環境の中で、ただ順応する。
廃屋を放火したりね。
放火は多分悪いこと。やったらダメなことっぽいからで、私は廃屋だろうと民家だろうとやらない。
でもムーニーとジャンシーにはわからない。
スクーティーはちょっとあれって思ったみたい。
アシュリーは、スクーティーをムーニーから引き離した。
うん、責められないし賢明は判断。
ヘイリーはついに収入に困り、売春を始める。
売春中はムーニーを、お風呂に入れておく。
そのうちボビーにもアシュリーにも売春を咎められて万事休す。
無駄なプライド(最後の、ともいえるのか)が邪魔してなのか、これ以上見下されるのが嫌だからなのか、いうべきところへ助けを求めることもできないし、態度を改めることもできないヘイリー。
ついにムーニーを行政に引渡さないとダメになる。
ママと引き離されることを肌で知ったムーニーは、ジャンシーとディズニーワールドへ逃げ込む…
実際には逃げ込めないだろうけど、受け入れてあげてと、小さく祈った。
ヘイリーを責めて終わりにしたくない。
ではどうしたらいいんだろうか。
ヘイリーは悪いだけの母親ではない。
少なくともムーニーにとっては、十分。
なんでそれだけではダメなんだろうか。
いや、ダメなんだろうけど。
ボビーの気苦労には本当涙でそうだった。
変質者を追い出し、ヘイリー親子の外泊にお金を添え。
多分離婚してて、エレベーターで作業手伝ってくれてたの息子よね?
いいことありますように。