劇場公開日 2018年5月26日

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「PTAらしい、滑稽な狂気。しかしPTA作品らしからぬ美しい物語。」ファントム・スレッド MOTTOさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5PTAらしい、滑稽な狂気。しかしPTA作品らしからぬ美しい物語。

2019年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 美しい映像と美しい音楽を纏った美しい物語は徐々に狂気に満ちていく。その狂気は踏み外しているわけではない。人間らしく、滑稽。しかし観ていくうちにその狂気が美しく見えてしまうのがこの映画の不思議な所。

 ダニエル・デイ=ルイスの圧巻の演技と役作りは非常に説得力があり、どんどん作品にのめり込んでいく。レイノルズは人に好かれる様な人間ではないのになぜか憎めない。それはデイ=ルイスの品があり、時に子供らしい一面がそうさせているのだと思う。

 ジョニーグリーンウッドのスコアは非常にシンプルで、この物語はイギリスのとても小さな美しく狂った出来事なんだと思わせる。

 PTAらしからぬ、上品でゆったりとした雰囲気の作品だが、人物達の内側に強い愛情を感じた。

 余談だが、観終わった後にアスパラガスとオムレツを食べたくなる作品だった。

MOTTO