ザ・スクエア 思いやりの聖域のレビュー・感想・評価
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観てよかった!今年一番の作品!
大勢の人がホームレスや浮浪者、物乞いを無視しながら歩いていくところから始まる。
ところがネットにホームレスについてのあの動画が上がると批判殺到、「侮辱している!
弱者に対する考えがなってない、はっきり言って最悪」うわー、こりゃたいした皮肉だわぁ。これは今の日本社会でも当てはまることだよね
少年が訪ねてきた後、「助けて助けて」と聞こえてくる声。彼はすでにいなくなっていたのに、、、
これは主人公の空耳ではなく1つの象徴であると僕は思った。
本当は聞こえているはずの助けを求める声が
やっと少年がしつこく訪ねてきたことで聞こえたのだ。あの少年は今の社会の弱者と呼ばれる人たちの象徴なのではないかと思えてきた。
絶え間なく続くのブラックなユーモアに笑いが止まらない!そしてお洒落な撮り方、社会風刺、これは絶対に見るべき傑作である。
なぜ低評価なのか理解に苦しむのは僕だけだろうか?または皆が「大衆」だからだろうか?
モンキーマンが怖すぎた怖い!このシーンだけ冷静にみることができず、監督の罠にはまりましたぁ
ところどころで笑いがこらえきれず、、すみませんでした!
善意のリアリティ
善意を行うことの難しさを描いた作品。心がえぐられるような表現があって素晴らしかった。
生きていて自分たちが望むように善意を行うことが出来ない、人は自分たちが考えるより善人にはなれないということを滑稽に描けていて良かった。
●大人であり社会的な立場を持つ主人公が善意を行えると考えていること、その無自覚の表現が良かった。ショボいことがきっかけで
ショボいトラブルを生んで、簡単に自己防衛に走り人への思いやり
を忘れるところが共感できる。
●主人公だけでなく登場人物すべてが善意を忘れる日常人と描いていることが良かった。悪人でもないけど、聖人でもない。人への思いやりもそこそこ…という表現がリアルだった。
●サル男の場面がサスペンスフルで良かった。この映画はいい意味で先の展開が読めなかった。たぶんこの場面は本筋とは関係ないエピソード。そのわりに長い。だけど意図的にこの場面を入れている気がするな。長いけど緊張感があり、思わず引き込まれた。サル男は演技なのか、ハプニングなのかという緊張感で誰も手を出せない、巻き込まれたくないから皆うつむき加減。人間心理の恐ろしさも感じる異色のシーンだった。
●ラストも良かった。主人公は苦悶するが人として成長しないことを予感させる。娘が父の姿から何か学びとるでもなく帽子をかぶるのは、この後も続く日常を予感させる。主人公が人間の象徴であるなら、人本来の限界により善意からは遠いという結びに感じた。
この映画はシニカルなジョークの秀作だと思う。
避けられない分断
偶然なのでしょうか。
最近、評判の良い欧州映画を観ると、ほぼ必ず、民族、移民問題が背景として描かれているように思います。
移民を抱え、経済も右肩上がりではない社会の状況がまず息苦しいです。
税金で近代アートの美術館を運営できるのに、道にはたくさんの物乞い。
恵まれたエリートは夜遊びもしますが、場所は雑然としたナイトクラブ、下手すると薬物も入り込みそうな、あやしげな佇まい。
携帯を探しに行った移民の多いエリアでは、エコカーを止めているだけで車をからかわれる治安。
そして、知的エリートが集うはずの美術館。そこでの仕事も殺伐としています。一人一人が自分の任務しか見ていない。注目を集めるためになりふり構わぬ手段に出る広報と代理店、組織の保身を第一に考える理事たち、そして、自身の才能に寄りかかり好き勝手をする主人公のキュレーター。
唯一の希望は子供たち。抗議に現れた少年。主人公の二人の娘たち。彼らは全力で前を向いて生きています。最後の姉妹の行動と表情に観る価値があります。
感想
正直人には勧められない。
広告がどちらかというとドタバタコメディ路線ぽかったけど、結局は差別問題。あとは表現の自由?
意味の分からない女のシーンの猿は子供の暗示かなー。
オランウータンマンは広告への反動なんだろうけど、長い割には特に。
全体的にとっ散らかってるのに、時間は長いのでもっと何を書きたいのか考えて90minにおさめたらええんちゃいまっか。
現代美術ディスってんのかと思った
主人公が現代美術館の館長だからね。現代美術の胡散臭さをおちょくってんのかなと最初思ったの。まあ、おちょくってるところもあると思うんだけど。「『タブーを壊せ!』みたいなこと言うけど、そこまでの覚悟ねーだろ!」みたいなのもあるしね。
言いたいことは何かあるのか解らないな?と思いながら観てくとね、少年に向けた動画撮影するところで、テーマが出てくんのね。そういうことだったんだあっていう。
スクエアの中では「すべての人が平等の権利を持ち、公平に扱われる」ってことになってるんだけど、ここは地球全体がスクエアに入ってると考えるんだろうね。その中に爆弾もあるんだね。
美術館に展示されてる現代美術作品のパロディもうまいね。実際のいくつかの作品を組みあわせてる。掃除係が砂利を壊しちゃったときに「適当に直しておけ」と館長が指示するんだけど、これは、本当にそうなんだと思うよ。コンセプトが合ってれば、細かなところはどうでもいいから。
その展示で好きだったのは入口で「あなたは他人を信じますか?」で「信じる」を選ばせといて、入ってすぐのところで「ここに財布とスマホを置いてください」ってやるところ。「信じたなら置けよ!」ってことだけど、置けないよね。
猿人間のところも面白かった。みんな、自分達の領域に入ってこない間は友好的だよね。そこをはみ出してきてさ「これは、もう犯罪だ!」ってなると「殺せ!」ってなっちゃう。
作り込み過ぎ?
スクエアが公平と平等の象徴であるがゆえ、この映画のストーリーは、スクエアから逸脱する、様々なノイズで覆い尽くされている。ノイズをノイズとしてしか聞くことができない時、私たちはスクエアの意味などわからないのだ。
まぁ、それは、わかる。
でも作り込み過ぎている分だけその分気分が悪い。自分を投影しても気分が悪い。そうじゃなくとも気分がわるい。で、だからこそ、この映画は「成功している」と考えると、もっと気分がわるい。
情欲に身をまかせることも、フォーマルな場での獣的な狂気も、今ここしか見られない幼児的な偏執さも、全てはスクエアからの逸脱したノイズでしかない。
そもそも、スクエアの意味を問うことが、高尚な偏見の極みそのものだ。
と読み解いたところで・・眠い映画はやはり眠い。
自滅
注目を集める現代アート美術館長とその周辺の騒動と災難。
アートについても判ったつもり、持ち上げられて出来る人間と勘違いしていて、自分を持たずハッキリしない主人公が巻き込まれる自業自得な面倒臭い話の数多をシュールにみせて行くストーリー。
面白気な空気感だけど唸る程のものは無いし、笑ってしまうところは一つもない。
劇場で声を出して笑っていた人がいたけれど、そういう場面の殆どは比較的ベタなところであって、この映画の本当にみせたいところではないという、そこを面白いと言ったらこの美術館や館長を持て囃し斬られる残念な側の立場っていうね。
大した黒さも深さもないし振り切ったところもなくて、描写は違えど同じ様なことの繰り返しだし、何より長過ぎる。
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