劇場公開日 2018年4月28日

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「スウェーデンもそうなのか」ザ・スクエア 思いやりの聖域 xmasrose3105さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0スウェーデンもそうなのか

2020年3月28日
iPhoneアプリから投稿

スウェーデンは福祉国家で、日本よりも社会と人間に対する考えが進んでいる国、税金高いけどいいなぁと勝手にイメージを持っていました。が、幻想だったか。やはり人間はどこへ行っても同じなのかなあ。民度高めなところもあるのでしょうが、アカデミーの方々の選民的な感じ、モンキーマンの野生を前にしたら、こっぱみじん。人間も動物ですが、人間はよくそれを忘れる。「人間と動物の違いは〜」とか言う。
主人公もいくら澄ました顔で現代アートを語っても、やっぱりお金の大変さはある。お金持ちから寄付集めや炎上商法使ってでも一般の集客しないといけない。
生きるって大変。
選ばれし者側として生きる主人公、でもかたやスクエアという四角の中ではみんな平等という、コンセプトアートを進めている皮肉。収入や社会的地位の格差、階級の溝、人種間の不信、など妬みや蔑みが描かれて行きます。

主人公も心は平静じゃない、あたふたしてます。
偏見は知らぬ間に育ち、当たり前になっていく。

平等とは所詮たわごと、なのかなぁ。
全然ハッピーエンドの道筋は見えません。そんな予定調和じゃない。

私もアートは大好きですが、それは単純に、自分に元気をくれるから。映画も音楽も同じ。心の食餌。だから自分にとっては食えない作品もある。毒になるものも。でも他の人には良い栄養になる。
ここ15年くらい展覧会でもコンセプトやらキュレーターの解説が多過ぎ、味付けし過ぎ、と感じることが増えました。申し訳ないけれど作家のプロフィールくらいしか読まなくなりました。作品=素材だけでいいのに。いい意味で放っておいて欲しい。自分なりの味付けができる余地が必要です。説明とか要るくらいなら、別にアートじゃなくていいですもんね。
そういう意味で観客に自由に感じさせてくれる映画です。

xmasrose3105