劇場公開日 2018年4月28日

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「【表層的な人間性の優しさを剥ぎ取ったリューベン・オストレンド監督の強烈なインパクト溢れるメッセージ映画】」ザ・スクエア 思いやりの聖域 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【表層的な人間性の優しさを剥ぎ取ったリューベン・オストレンド監督の強烈なインパクト溢れるメッセージ映画】

2019年10月30日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

 第70回カンヌ国際映画祭最高賞パルムドール受賞作。

 であれば、何らかの感動を得られる作品なのかと思って観れば、冒頭から不穏な雰囲気が満載である。

 『”ザ・スクエア”は<信頼と思いやりの聖域です>』と謳われた作品を展示する事にした現代美術館のキュレーター、クリスティアン(クレス・バング)。
 バツイチだが、二人の娘を愛する洗練されたファッションに身を包む”世間的には”キャリアは順調に見える男が主人公。

 彼のねらいは「全ての人が平等の権利を持ち、公平に扱われる」という高邁なテーマを世に問う事であった。
 だが、彼はある日、自らの携帯電話と財布を盗まれてしまい、それを取り戻すためにある行動に出る・・・。

 高邁な理想を掲げた男の浅はかな実態をシニカルな視点で描き出すリューベン・オストレンド監督。

 とりわけ、強烈な場面として描かれる富裕層が招かれたディナーが開催されている美術館の前に座り込むホームレス達の姿と、そのディナーに余興として呼ばれたテリー・ノタリー演じる強烈極まりない猿人類を演じるオレグの狂態に最初はひたすら耐える富裕層のパトロン達の姿。

 ブラック&シニカルユーモアのシーンの数々を151分見せられた後、この作品をどう捉えるかは、観客自身に委ねられる。

<それにしても、未だ40代のリューベン・オストレンド監督って、どれだけヒネクレモノなのだ。「フレンチ・アルプスで起きたこと」も相当ブラックな作品であったが、今作のブラックさはあの作品を遥かに凌駕している>

<2018年4月28日 劇場にて鑑賞>

NOBU
きりんさんのコメント
2022年3月14日

ご紹介いただいた本作、観せていただきました!
「フレンチアルプス」のあとでしたから恐る恐るです(笑)

鑑賞後、消化に1ヶ月を要してやっとレビューが出来ました。
時間が経つと粗(あら)が消えてこの映画の良い面が印象に残ってくる感じがしました。
弱い人間への 慈しみの眼差しと希望のようなもの。

ありがとうございました。

きりん
ミカさんのコメント
2021年9月3日

確かに邦画は湿性がありますね。子供の時に北欧の児童文学読んでたので、北欧の個人主義的なところ好きです。

ミカ