「焦点はどこに」ゲティ家の身代金 ユージーンさんの映画レビュー(感想・評価)
焦点はどこに
息子の誘拐事件による身代金問題での、母親と祖父との激しい攻防を期待していましたが、自分が思っていたほど表立った争いは少なく、やや消化不良な感が否めませんでした。
ゲティの、金に対する執着はしばしば描かれていましたが、その発端というか、理由がいまいち伝わって来ず、ただの、ケチで人情に欠けた想像どおりの金満家、というイメージが残るだけでした。
また、母親も、身代金の調達や減額に四苦八苦する場面がありますが、ただそれだけの印象で、さほど感情移入もできませんでした。
誘拐さきでの、息子と誘拐犯とのやりとりも、実話だから仕方ないのかもしれませんが、あまり必要に感じられず、そこを描くならもっとしっかり描写すればよかったのに、と思うばかりでした。
総括すると、
結局、誰に、どう焦点を合わせて観ればいいのかいまいちわからず、たんに「昔にこんな事件があったんだよ」とふんわり教えられただけのように感じる作品でした。
コメントする