「後味、悪っ。」ラブレス 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
後味、悪っ。
結末は、予想ができた。
そうなるだろう、そうなるのが観客を一番不愉快にさせるラストだろう、という描き方。出てくる大人がクズに見えるのに、本人たちはいたって平気な顔。育児放棄でスマホに夢中の母親、セックスが好きで子供に感心のない父親。どちらも離婚も済んでいないのに別々のパートナーを隠すこともない。それに、市民ボランティアの規律性が、ロシアの国家というものを暗示していているようだ。この映画を傑作というとするならば、あまりにも現実的で薄気味悪いからだろう。しかも、これは現代ロシア社会の話ではなく、日本であれ同じような状況に置かれている少年は多いはずだ。
他人ごとではないよ、日本人。
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