アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダルのレビュー・感想・評価
全142件中、41~60件目を表示
運
才能があっても育ちが悪いと大きく人生が損なわれてしまう典型的な例を見た気がします。あんな環境で育つと性格もひねくれるだろうしDV男を選んでしまうのは当然の様に思いました。この作品で確信したことは、成功は努力ではなく周りの環境も含めて運ということです。今の世の中、スポーツや芸術はお金がないと一流にはなれません。
盛られた史実
実際の事件にはまったく馴染みがなく、ワイドショーをどれだけ騒がせていたのかもよく知りませんが、映画自体は、とてもわかりやすいシナリオ構成で、すんなり頭に入ってきました。
当時の、関係者たちへのインタビューを元に事件の詳細について描かれた作品だということですが、人物それぞれが思い思いの事実を語るため、結局はだれの言葉が正しいのかと、もやもやさせられる部分もありました。が、それこそが今作の醍醐味というか、見どころのように感じました。また、話を大きくしがちな、アメリカらしい出来事だな、との印象も受けました。
歴史というものがいかに曖昧なものかを教えられた感じです。
それにしても、
やはり、ハリウッド俳優の技量やメイク技術には驚かされます。トーニャの母親と、自称ボディガードの友人役がとにかく似ていました。アカデミー賞へのノミネートもうなずける演技でした。
マーゴット・ロビー大好き!
楽しみにしていた「アイ,トーニャ」。ユナイテッドで見れずギリギリ日比谷で鑑賞した。こんなええ映画を上映しないシネコンがあることが信じられない。スケーティングシーンが思いの外素晴らしく…トーニャが思ってた以上にヤンキーで…母親も亭主も期待以上に暴力的でクズだった…もちろん褒め言葉。シカゴの「長い夜」など70年代の名曲が随所で効果的に使われていて良いのだが、特に「ロッキー」を彷彿とさせるトレーニングシーンで流れるハートの「バラクーダ」がぐっとクル。オリンピックが如何に米メディアに牛耳られているかを物語るタイムリーな映画でもある。
フィギュアスケート版「ウルフ・オブ・ウォールストリート」
劇中のセリフにあるように「バカしか出てこない」物語だった。
バカ同士の化学反応によって、事態がどんどん悪い方に転がっていく様子を疾走感たっぷりに見せる演出はフィギュアスケート版「ウルフ・オブ・ウォールストリート」という感じ。
バイオグラフィー
予告編も見ずにポスターの見た目から、Disney製作のシンデレラストーリーなのかと観る前は思っていました。180度裏切られて、逆によかったです。シンデレラストーリーとは真逆の”Raging Bull”のようなスポーツ選手として落ちぶれていく姿を描いた作品には、劇中でもなんども裏切られました。
脚本でどこまで構成が作られていたのか、編集の力でこの構成が出来上がったのかはわかりませんが、2時間の1つのストーリーテリングとして、1人のフィギュアスケーターの反省の描き方にはとても楽しむことができました。
ジェットコースター
映画を見ていても、観る前に思った一般的なヒーローズジャーニーなんじゃないかと思っていました。それほどにアクトの数がとても多かったです。それゆえ、トーニャの感情に沿ったストーリー展開はまるでジェットコースターのようにアップダウンを何度も繰り返します。最初の1時間だけ見ると、子供用のアニメーションのようなシンプルなヒーローズジャーニーなんですが、そこから、トーニャの思い通りにことがいかず、全ての手が悪い方向へと転げ落ちていく様子はテトリスで負けが近づいてきて、どんどん目の前が塞がれていくような感覚でした。その後半に感情を動かされたのも、前半で一見逆境に負けず立ち向かっていったように見える行動が小さな種となっていたから。母からの暴力を受け続け、若くして一度は全米の頂点に輝くも、小さな頃から刻み込まれた無数の傷は癒す方法を間違ってしまったがゆえに、どんどん傷が深くなっていく一方。劇中にとーにゃがインタビューで何度も繰り返すセリフ”This is my fault, but that was not my fault”的な発言。傷のなすりつけあいは、傷ついている側は気づかないものである。
インタビュー
2.39:1のワイドスクリーンで撮影された本作ですが、劇中で何度も出てくるインタビューのシーンは、4:3にクロップされている。それは、実際に行われたインタビューなので、昔のテレビで見ているような感覚にさせる効果だけじゃなく、被写体を中心に置き、シンメトリーなフレーミングでポートレートのような構図にすることで、キャラクターたちの孤独感、言っている言葉の相違のようなものを表現している。さらに、それをストーリーテリングに杭を打つように配置することで、インタビュー当時のキャラクターの感情を少しずつ紐解いていくような謎解き要素にもなっている。インタビューを並列に2つ並べられた時には、「やられた」と思いました。この瞬間ストーリーがサッドエンドだと気付かされ、そこからはトーニャが堕落していく様を見ている、一視聴者になっていました。
アリソン・ジャネイが物凄くよかった。
印象は変わらないが真実が変わる
小学生の頃だったか、トーニャハーディング事件は
よくニュースで流れてて、
トーニャハーディング!あの自己顕示欲の強そうな
悪い人や!絶対観なきゃ!
と思っていて、いざ観てみると、
自己顕示欲の強い悪い人ではあったけど、
やはりそこには育って来た環境や周りの人たちがいて、
ただ襲撃しただけではなく、根の深い問題があった。
トーニャも凄い我の強い人だけど、
まずは母親パンチのあるキャラと言うかパンチしかない
お母さんでトーニャに同情してしまう。
しかも最後までキャラがブレず愛情を見せないのだから
恐ろしかった。
襲撃事件は用意周到かと思ってたらバカが集まった
恐ろしく陳腐な物で笑ってしまったが、
その中でもショーンのキャラは抜群だった。
デブでニートでオタクで童貞の鏡のようなキャラだった。
トーニャは確かに良い人ではないけど、
母親から受けられなかった愛情を求めれば求めるほど
我が出て失敗し、世間の悪者になったわけだけど、
その裏で1人涙し1人で戦ってたのだなと分かった時
胸を打たれた。
器用な肩書きの多い人より、スケートしか出来ないと
訴える姿も感動した。
育つ環境って大事なんだなと言う事と、
僕らが観てるニュースって表面だけで、
何も知らない部外者が声を大にして、
敵を作ってるだと思いました。
かなり微妙な人物像
ナンシー・ケリガンが襲われて脚を負傷させられ、それが実は、ターニャ・ハーディングのボディガードがやったという事件は、当時すごいセンセーショナルだったので、ターニャ側の真実を知りたい!と楽しみだった。フィギュア界の異端児であることに関してターニャ・ハーディングはフェミニズムやソーシャル・スティグマ、女性アスリートに関する研究論文の題材に多く取り上げられているらしいが、この映画はそうした社会的、文化的な側面も上手に取り入れて表現していたと思う。その上で、ターニャの人物像を微妙な立ち位置で描いていて、それはかなり真実に近いのだろうなと思うが、映画的なカタルシスにはちと欠けるなという印象を持った。
トラブルメーカー
強い女性大好き❤
トーニャの場合、トラブルメーカーなのだけど好き!
靴紐が切れたと審査員に泣きつくシーンが有名で私もそこしか知らないけど、観てきてびっくり、ボクサーになってたんかい!
それぞれ、インタビューに答えるかたちで映画に出演してるのも観ててよかったな〜
気が強かったんだね。この娘さん。
1990年代、オリンピック選手ナンシー・ケリガンがライバル選手側に襲撃された事件を、襲撃元の選手、トーニャ・ハーディング側から半生も含めて色々な面から語られる。
ありました、ありました!
この事件!!思い出しました。
ケリガン選手の顔の記憶が無いが、ハーディング選手の可愛らしい顔の記憶はあるw
足が痛いとかで演技を辞めて泣きじゃくる顔の記憶が!
審査員に泣きながら釈明して・・。
しか〜し、この映画のハーディングに可愛らしさは無かった。「あれっ?こんな性格の女性だったの?」である。(まぁ、私も若かったし、ニュースでしか観ない訳で)
とにかく気が強い。荒い。当時結婚もしてたのね。
そしてこの子にして、この母親。サイコ的展開。
そして夫ジェフ。なかなかのDV。
ブラック・ユーモアも混ぜながら、あの事件の真相へ。
笑っちゃいけない話なんだけど、アメリカ人ならではの、こういう展開になるのね!的でとことんブラック・ユーモアへと誘ってくれた。
事実かどうかは分かりませんが、開き直りなハーディングが居たからこその映画であり、事件ありきの映画だと思いました。
私は事件の発端が観れてまぁまぁ満足です。
嫌われトーニャの半生
日本でも人気のフィギュアスケート。
選手たちは国民的スター。
本作で描かれる女子選手も、色んな意味で“スター”。
…いや、正しくは、“ヒール”と言うべきか。
トーニャ・ハーディング。
本当に毎度毎度、スポーツの事には疎いので、恥ずかしながら名前を聞いたのは初めて。
輝かしい実績、オリンピックにも出場。また、トリプルアクセルを成功させた初のアメリカ人女性選手としても知られている。(ちなみに、女子初は、我が日本の伊藤みどり)
称えられるのに充分なのに、しかし彼女は嫌われ者。選手としてより、ある事件の方で有名。
元夫とその仲間がライバル選手を襲撃。彼女も関与を疑われ、フィギュアスケート界から永久追放…。“ナンシー・ケリガン襲撃事件”。
一体、彼女に何があったのか…?
訳ありの人生には、生まれや境遇が深く影響する。
彼女の場合、ズバリ、母親!
とにかくこの母親が、モンスター!
常に煙草を吹かし、口から出るのは暴言のみ。
娘に対しても、容赦なく暴言・罵声を浴びせる。
それがこの母親の教育法なのかもしれないが、にしても異常過ぎ…。
娘には“口擊”のみならず、暴力も振るい、ある時はナイフを投げつける…!
自分の腹を痛めて産んだ娘に愛情全く無いのかよ…?
一応娘にスケートをやらせ、時には罵詈雑言のコーチをし、終盤のあるシーンで遂に娘に優しさ見せたと思ったら…!
とことん毒親。ここまで来ると、逆に天晴れ!
父親は居たが、当然離婚。幼い頃から怪物母と暮らしてきたトーニャは…
性悪とまでは言わないが、かなり勝ち気、強気な性格に。
フィギュアスケートに懸ける情熱は並々ならぬものだが、時には得点に納得出来ず、審査員に詰め寄り、暴言すら吐く。
あの母親に、この娘あり。そりゃそうなるわな…。
才能は誰もが認めているが、審査員たちからは嫌われ、フィギュア界きっての問題児。
そんなトーニャもうら若い女子。恋だってする。
ジェフという男性と出会う。激しく惹かれ合い、勢いそのまま結婚。
ところがこのジェフ、DV夫だった…!
彼の場合母親と違って、愛情暴走し過ぎてかもしれないが、「お前を愛してる」と言った舌も乾かぬ内に、暴力。
なかなかのキチ○イ野郎。
夫婦喧嘩はもはや何かのバトルと言っていいくらい。
もうウンザリして、別れ、接近禁止令まで通告したのに、未練タラタラ、ストーカーみたいに付きまとう。
夫の異常な愛情は銃を発砲するまで…!
そんな夫なのに、トーニャも復縁したりする。
腐れ縁と言うか、どうしてもダメ男に惹かれるのか。
毒親とDV夫に挟まれて、トーニャもよく輝かしい成績を残せたと思う。
こればかりは彼女の努力、実力だ。
しかし、頂点を極めると、変わる人も居る。
私は特別。世界一。
不調にも陥る。
一時は生活の為にウェイトレスの仕事をするが、再び晴れの舞台へのチャンスが…!
そんな時、事件が起こる…。
トーニャ・ハーディングの事を知らなければこの事件の事も知らなかった者の、あくまで本作を見ただけでの印象で言うと…
トーニャも被害者ではなかろうか。
事件を起こしたのは、夫とその仲間。夫が、トーニャに脅迫状が送られてきた事を知り、それをライバル選手にもしてやろうと。単なる脅しだったが、しかし仲間が暴挙に出てしまった。
トーニャは“何も知らなかった”が、あっという間に捜査と疑いの対象に。
真偽については…、何とも言えない。
ただ一つ言えるのは、
毒親に育てられ、彼女にも定着してしまった世間のビ○チのイメージ。それ故、あの女ならやりかねない…。
きっぱり縁を切れば良かったのに、DV夫やそのバカ友との付き合い。
生まれや境遇は不幸で気の毒だが、自分自身の行いや振る舞いが少なからずそれを引き寄せたのかも…。
作品はシリアスな実録風ではなく、登場人物たちへのインタビューのフェイク・ドキュメンタリー×ブラック・コメディ・タッチ、登場人物たちがカメラ目線で喋ったり、各々例の事件について証言が食い違う“羅生門”スタイルであったりと、ユニークな作り。
テンポも非常にいい。
スケート・シーンのカメラワークや編集も臨場感あり。
プロデュースも務め、猛特訓の末実際に自分でスケートも披露した、マーゴット・ロビー入魂の熱演!
小生意気でもあり、魅力でもあり、破天荒で目を引く存在…まさしく、氷上のハーレイ・クイン!
彼女の外観のイメージだけではなく、複雑な内面も体現。
終盤の裁判の涙ながらの訴えにはグッとさせる。
本作でオスカーを受賞した母親役アリソン・ジャニーの怪演は必見!
序盤は彼女が主役じゃないかと思わせるくらい。
エンディングには本人のインタビュー映像。メイクを施したそっくりぶりに驚き!
栄光からの転落人生。
それでも彼女はしぶとく別のスポーツの世界に進出。
もう失うものは何も無い。何だってやる。
ボコボコの顔になっても、ドン底に落とされても。
アタシは、トーニャ。
嫌われ者。
文句ある?
暴力の連続
描写的にはデートDVに虐待、偏見といった当時のヒルビリー社会の酷さが露骨だったが軽快でパワフルな作品になっている。
にしてもトーニャ以外がクズすぎる!そしてなんなんだあの友人は!突っ込みどころ多すぎて、教養の行き届いてない当時の実情は凄まじい。
マーゴットロビーちゃんは相変わらず可愛くて演技も良かった。子役にマッケンナグレイスちゃんは狡いなあの子の存在感やっぱり凄い。ラストの終わり方も好み!
What is your fault?
バカまっしぐら。破滅に向かって疾走する。結局は母親の問題かな。それを見事に演じるアリソンジャネイ。崩壊しているコミュニティを体現している。
軽快でポップな進行。ぐっとくる選曲も良い。しかし、題材はトーニャ・ハーディング。残念だが琴線に触れることはない。
ろくでもない映画なのだけれど…
スカッともしない、知恵も知識もつかない、クソみたいな映画なのだけれど…
貧乏な中で生まれ育ちながら、類い稀な運動能力で、フィギュアスケートで頭角をあらわす主人公って、どう見ても青春スポーツ映画になりそう。なのに、母ちゃんは鬼だし、周りにいるのは、極めつけのバカばかり。
挙句の果ては、周りがライバルを襲うという愚行に及び、とうとうスケートまでも失ってしまう。
いやはや、こう書いていても、どこにも救いのないクソ映画だ。
なのに、なんだろう。心に響く。主人公は、泣かない。母に罵倒されても、夫に殴られても、果ては撃たれてさえ、泣くことがない。
スケート以外 何もうまくいかず、挙句の果てに、そのスケートまで奪われる話だけれど、ほんとうに彼女はクールにまっすぐで、ライバルを襲えなんて指示はしてなかったのかも、と思わせる。
主人公の境遇を哀れむでもなく、主人公の生き方に肩入れもせず、ただ淡々と底辺、どぶの中を描き切ったという点で、「百円の恋」といい勝負なのかも。
マーゴットロビンがプロデューサーしてまで撮りたかったわけが、少しだけわかるような気がした。
スポ根といっても
スケールと暴力、誇大妄想⁈、自己嫌悪などなど入り混じっていました。
人に評価をされる競争である事が、フィギュアスケートの世界を、支配層の価値観や権威主義に親和性をもたせている事がよくわかる。
この構造は今もあるから、より素直な選手は摂食障害になるのかな?
事実とストーリーを綯い交ぜにした映画とおもったが、異常な事件を自然な成り行きとして表現していた。
全142件中、41~60件目を表示