ナショナル・シアター・ライブ「ジュリアス・シーザー」のレビュー・感想・評価
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鉄板のシェイクスピア作品なんだけれど、とにかく演出が素晴らしい。現...
鉄板のシェイクスピア作品なんだけれど、とにかく演出が素晴らしい。現代のポピュリズムに対するテーゼとしてジュリアス・シーザーの登場シーンがアメリカの選挙キャンペーンのような雰囲気に仕上がってる。こういった政治的視点のある演出の英国演劇芸術をみると、英国国会における答弁の様式美と関わりが深いようにも思える。芸術が文化に影響をあたえ政治も作用して社会は発展しているのだなと納得する。
臨場感も半端ないです。
最初、いきなりバンドのライブが始まって演出とは気がつかず、前座かなと思ってしまいました。観客も普通にギグにいるかのように暴れてる人とか楽しんでいる人だらけだし。その後アメリカの選挙のキャンペーン軍団が入ってきたので、ぼーっとして案内を聞いていなければもしかして上映部屋を間違ったのかも知れないと思うほど今現在の演出になっていました。セリフを話しはしめてやっと、あっ、演出だったのかと気がつくのです。バンドのボーカルはマーク・アントニーはカリスマがあって大衆の心を掴む人物であるというのがまさにバンドを率いる人物という事でぴったり!
この作品は全体的な演出から観てポピュリズム風刺作品に仕上がってる、現代英国演劇の歴史深さに震えた。もっとNTLの作品を観たい
役者の息づかい、観客を巻き込んだ演出が素晴らしい。
「ナショナル・シアター・ライヴ」シリーズ二作目の鑑賞。
普段編集した映画でしか見れない、海外の役者さんの芝居をライブ映像とはいえ、前編通しで観れるのは嬉しい。
今回のセンターステージでアリーナの観客をローマの民衆に見立てたニコラス・ハイトナーの演出が素晴らしく、観ているこちらまでその臨場感にまきこまれました。
現代劇という事でシーザーを現在のアメリカ大統領に比喩したり、ローマの群衆をSNSで同調する現代の民衆と被らせたりと現代劇としても楽しめ、主演のベン・ウィショーのシェイクスピアの流暢な台詞を淀みなくブルータスに成りきった150分は見事、映画では感じることができない役者魂を感じられ大満足でした。
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