「ずっとそばにいて欲しい作品」スパイダーマン スパイダーバース ruさんの映画レビュー(感想・評価)
ずっとそばにいて欲しい作品
字幕版2D・吹替版2D・字幕版IMAX3Dの順で鑑賞しました。
個人的に大好きなロード/ミラーコンビが手がけるスパイダーマン!ということで、ずっとずっと楽しみにしてきました。
実を言うと初回の鑑賞は、ちょっぴり置いてきぼりになった印象がありました。凄い圧倒されたのだけど、目が2つじゃ足りないよ!何か見逃してるのではという焦燥感。
待望の作品だったゆえ「今を楽しまなくちゃ」と常に意識、結果凄い気の散りようw(Boogieが聴けると思い込んでいたせいもあるかも)
吹替版鑑賞で助けられ(字幕版では拾いきれなかったセリフやニュアンスがありました)
IMAX3Dでやっと自分のものになった感覚です。
疲れるかと思いきや3Dのレイヤーで画面が整理され、字幕も空間的にキャッチでき、とても観やすかったです。
一筆書きのような(それを言うならグラフィティでしょうか)鮮やかで潔いストーリー、魅力的なキャラクター、セリフ、表情、ちょっとした仕草にアクション…全てが大好きです。
好きなシーンは沢山ありすぎる。
マイルスとピーター・B・パーカーが縄跳びしているようなパンフレット表紙の絵も大好き。
スパイダーマンファン、ロード/ミラーファンへの目配せというかウィンクがビュンビュン飛んできて忙しい!
愛とリスペクトとサービス精神に溢れてます。
マイルス13歳の心身の線の細さと強靭さ、印象的に描かれていました。
自分ひとりでは抱えきれない秘密や哀しみを持ったとき、迷いなく父親に抱きつけるギリギリの年齢でしょうか(リメンバー・ミーのミゲル君も同じ年ごろだ)
いきなりスパイダーマンになれと言われ、ハロウィンの衣装を買いに行くのもいかにも13歳の発想。
スパイダー仲間たちも、マイルスを排除しようとしたのではなく、タグが付いたままのコスプレスーツを着て志願する彼の姿が痛々しかったのでしょう。
過去作で、傷ついたスパイダーマンの素顔を見た人々が「まだ子供だわ」と発しましたがマイルスは正真正銘の子供ですもの…。
最後再び父親とハグする時、マイルスの胸にある誇りと安堵と感謝…。
単なるくすぐりと思ったスタン店主の言葉が、物語の終わりには最大級の励ましと賞賛に感じられるのも素晴らしい。
本作の脚本がネットで公開されているのも驚きと喜び。それも部分でなく全編。
公開された経緯も、こういう事がよくあるのかも知りませんが、本当に贅沢でありがたくて。色と光が与えられる前の白黒の下書きでも素晴らしく躍動しています。英語は得意ではありませんがチビチビ読んでいます。
ずっと離れないで心にいてほしい作品。