劇場公開日 2019年3月8日

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「これがアニメだ!ピクサーのCGアニメなんて偽物じゃぁぁぁ!」スパイダーマン スパイダーバース tさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0これがアニメだ!ピクサーのCGアニメなんて偽物じゃぁぁぁ!

tさん
2019年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

忘れていた・・・。そうだ。僕が求めていたアニメはこれだった。

この躍動感、没入感、疾走感。
スクリーンの中で、生きている、血の通ったキャラクター。古き良きセル画アニメにあった「動き」が戻ってきた!という感じでした。アニメ表現が1つ進化したな・・・と思える作品。あと、3Dが良いです。

アクションシーンは「良い」。この2文字で十分。
そして、アクション以外の日常描写も面白く、全然飽きない。これが良かった。
映画なのに、pow!とかwooo!とか、吹き出しが入ってくる。こういうアニメは、僕は初体験だったので新鮮でした。
にも関わらず、現代のニューヨーク描写は繊細で緻密。まるで実写かと思ったよ。背景画の作り込みが凄い。なんでもないシーンでも魅せる。この辺はピクサーが上手ーく逃げてるところだと思う。

背景画が素晴らしいことの大きな要因の1つが3D。画面の奥行きが非常に上手く描かれている。3Dが活きるのは背景画だ!たと改めて実感。このスクリーンの中に世界があるんだ。。。と思えました。

そして、個人的にハマったのは「手書きアニメ感」。
ここから老害発言が続くのですが、少々お付き合いください。
僕はデジタルアニメが苦手(<=よ!クソ老害!)です。絵だけ綺麗になって、肝心の動きが・・・なんか、もっさりしてる・・・。これはジブリランクのアニメでも言えることで、それより低ランクの名探偵コナンとか、クレしんとか、ドラえもんとか、あの辺りのアニメは、特に動きもっさり感が目立つ。最近観た、「劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ」とかも、セル画にすれば良いのになぁ・・・と思っていました。高解像度テレビになってからタレントのシワが目立つようになったのと同様に、デジタルだと日本独特の漫画キャラクターの滑稽さ(おメメがぱっちり)をと、動きもっさり感がモロに目立っちゃうんだよね(予算の関係で、そこまで作画に力を注げないことが原因かもしれませんが・・・)。

セル画の手描きアニメは、絵の上手さとか綺麗さは二の次。作画崩壊?オッケー!オッケー!そんなの慣れとけよ!こっちはキャラクターの動きで勝負してる(誤魔化してる)んだよ!

本作は、どちらかというとセル画時代の感じに近いんだよね。動きで勝負してる(まぁスパイダーマンだし当たり前か)。そしてピクサーのCGアニメっぽくない(ここ重要)!しかもちゃんと動いてるじゃん!どうやったのか知りませんが。。。ピクサーに代表される、がっつりしたCGアニメは確かに凄く良い動きをするのですが、僕にとっては、どうしても別の分類になる。昔テレビで観てたアニメとはなんかやっぱ違う・・・となります。

ピクサーアニメは格式高い優等生が作ったアニメだとすれば、本作は頭悪い14歳が気合いで作った土方アニメという印象。いやいや、僕は褒めてますよ。貶してはいない。

老害発言おしまい。

脚本とかテーマ性は、ちょっと甘い・・・(とはいえ、マイルスが挫折を経験した後で、真のスパイダーマンとしてNYをスイングする描写は最高でした)と思いますが・・・凄い作画で、あんまり気になりません。

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