「愛に溢れた新時代のスパイディ」スパイダーマン スパイダーバース コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
愛に溢れた新時代のスパイディ
すごい!
映像が新次元。
動きに魅せ方描き方、全てが新しい。
IMAX3Dだからこそ映える画面作りに感嘆した。
「大いなる力を持つものは〜」という、スパイダーマンの呪縛のようなセリフを、排除せずに飲み込みながら、より未来を志向したシナリオが時代をちゃんと反映して素晴らしい。
そして、様々なスパイディへの愛がある。
カトゥーン時代のマーベルも、大事にする姿勢があって嬉しかった。
いや、カトゥーンに対する愛は山盛りで、ピーター・ポーカー / スパイダー・ハムのお別れのセリフは、ルーニー・トゥーンのPorky Pig(ポーキー・ピッグ)「That's All Folks(これでおしまい)」へのオマージュだと気づきました。
字幕と吹替両方とも観まして。
音のふくらみや深さもすばらしかったが、吹替は特に声優陣の豪華さがすごかった。
また2D吹替で、3D字幕で観たときに背景のちらつきが気になり、3Dのせいかと思っていたら、もともとそういう作画だったと確認できました。
冒頭の「倫理規定委員会承認」マークは、1940~50年代にアメコミが表現規制推進派の活発な動きで、「コミックス倫理規定委員会」による自主規制を強いられ、牙を折られ去勢された歴史を忘れてないぞ!というマーベル側の強い反骨精神の現れにも感じました。
こういう細かいところまでネタを入れたスタッフの気配りと遊び心が面白かったですよ。
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