「革命が起きた」スパイダーマン スパイダーバース ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)
革命が起きた
まずど頭のオープニングシーンからかっこよ過ぎる。非常にアガる。3Dが活かされているので、IMAX 3Dで見た方がいい!
アメコミの映像化ということに対して最高レベルのものを見てしまったという衝撃。。。
傑作だということはちらほら聞いていたが、これほどだとは思わなかった。。
「キャプテン・マーベル」、「スパイダーマン ファーフロム ホーム」、「アベンジャーズ エンドゲーム」が控えているが、本作を観た後ではこれらを観る気が失せてしまったといっても過言ではない。だってこんなすごい作品観ちゃったらどうしても比べてしまう。トム・ホランド実写版スパイダーマンは公開日が近いので特に。あれも好きな作品だけど!笑
日本でいうジブリの高畑勲監督作「かぐや姫の物語」に通じるような表現(作画)への徹底的なこだわりを感じた。
どの瞬間で映像を切ってもアメコミの一コマになっていて、アメコミの世界に入り込んだかのよう!これはCGで作られたアニメーションに後から全て(!)手描きでコミック風の味つけ、仕上げを施したという。考えただけで、気の遠くなる作業だ。ソニーはこの技術に対し特許を取得したそうで、今回のアカデミー賞受賞も追い風となって、続編の期待も高まる。いや、確実に作るだろう。東映版スパイダーマン、レオパルドンが出る日が来るかもしれない。スパイダーマンvsベノムが観れるかもしれない。妄想だけでこんなに興奮してしまう。
本作の感想、印象ですが、
物語冒頭はマイルズが色んなところから落ちる描写がひたすら繰り返される。地下の鉄柵から落ちたり、天井から落ちたり、ビルから落ちる。
しかし、マイルズが自分がスパイダーマンとして、ヒーローとしての自覚を持ち、スパイダースーツを黒く染め上げ、目覚めてからは全てが上へ上へと上昇する演出へと変わる。
ビルから飛び、落ちる描写もカメラがひっくり返り、同じ落ちる描写でも意味の違いがはっきりと映されている。
スパイダーバースというタイトルだが、新たなスパイダーマンの誕生と、自分は一人ではないと思わせるためのユニバースであったというところもとても良かった。
過去作へのリスペクトに満ちた、愛すべき最高スパイダーマンだった。本作のプロデューサーであるフィル・ロード&クリス・ミラー監督は「レゴ・ムービー」、「21ジャンプ・ストリート」などずば抜けた映像センスでコメディを撮る若い才能でしたが、「ハン・ソロ スター・ウォーズ ストーリー」の監督を途中でクビになってしまった。
そんな彼らの本作「スパイダーマン スパイダーバース」が見事にアカデミー長編アニメーション賞を受賞したのは本当に感動した。あんなに素晴らしい作品だったレゴ・ムービーでも受賞できず、レゴで作ったオスカー像を製作陣、キャストに渡していた彼らの作品が、ディズニーでもピクサーでもなく彼らのアニメーションが!ようやく認められた!
*いつもは笑ってしまうスタン・リーの登場シーンですが、今回は涙が溢れて出てしまった。あなたが生み出したスーパーヒーローはまだまだみんなに愛されてますよ!これからも!