ゴッド・オブ・ウォーのレビュー・感想・評価
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倭寇映画の最高峰か
倭寇や日本武士の描写がおおむね正確で、外国映画によくあるようなトンデモ日本描写がほとんどないのは珍しい(唯一、倉田保昭が「我らの目的は天下統一」みたいなことを言ってたが、松浦氏がそこまで狙わんだろとは思った)。アクションも合戦にチャンバラにカンフーと盛りだくさんで、途中のチウ・マンチェクとサモ・ハンの棒術訓練もさることながら、特にラストのチウ・マンチェクと倉田保昭(70歳!)のバトルが圧巻の出来。ここだけでも満足できる。
惜しむらくは全体の作風がちょっと古臭い(特に音楽)、ストーリー展開がやや単調で平板、チウ・マンチェクが表情に乏しく地味で華に欠ける、終わり方が少々尻切れとんぼなどといった欠点もあるが、全体としてはなかなか面白かった。特にレジーナ・ワン演じる、戚継光を尻に敷いてる奥さんのキャラクターが魅力的で、ちょっとだけ色っぽいシーンもあったりしてストーリーの単調さを大いに救ってくれる。最後のほうでは留守を守る城で甲冑に身を固めて自ら戦っちゃったりする活躍ぶりで、レジーナ・ワンはこれが初見だったが、美人だし良い女優だなぁと印象に残った。
倉田保昭さんの演技とアクションが見事。
小出恵介最後の映画か?!
中国側、日本側との両面から描く倭寇スペクタクル。元々は中国側であった王直という人物の養子が倭寇と共に明国領土を占領して荒し回り、略奪と暴行を繰り返していたとのこと。倭寇は海賊として中国側では描いてあり、それに便乗するかのように中国人も海賊となっていたのだ。
サモ・ハン演ずる兪将軍は倭寇に手こずっていて、やがて投獄されることに。そして戚将軍が人望を集め部隊を指揮するのだが、このサモ・ハンに棒術を教えてもらうシーンがいい。しかし、サモ・ハンの出番はそこまで。倭寇側の倉田保明と小出恵介の知力と戦う戚将軍が中盤以降メインとなる。
戚の妻(レジーナ・ワン)が女性ながら城を守るシーン、そして倭寇の浪人たちが女や金を求めて狂ったように暴れ回る描写などなど、見どころはいっぱいあるのだが、全体的にはアクションは控え目でカンフーアクションはほとんどないのが残念。浪人たちはみな日本人が演じてはいるが、ひょっとすると本当は財力を得た松浦藩が雇った中国人だったのかもしれないし、中国側だけの資料じゃ史実は見えてこない。日本側の史実としては豊臣秀吉が倭寇を禁止したとあるが、その秀吉自身が朝鮮出兵したという事実も面白い。
エンターテイメントとしては良い
ゴッド・オブ・ウォー
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