「「あの時ああしていれば・・・」という悔恨を解消する摩訶不思議なブラックボックス」黒い箱のアリス resuwisshu311さんの映画レビュー(感想・評価)
「あの時ああしていれば・・・」という悔恨を解消する摩訶不思議なブラックボックス
最初に見た時はバイオレンス描写は気にくわないが建築的趣向と絵的構成感にいたく感動し、アートムービーとして強く印象に刻み込まれた。
今回で3度目となるが、バイオレンスサスペンスのシナリオ理解に集中し、本作のテーマは「ある交通事故がもたらした家族の不幸と親子間の不和、被害者家族の不幸を和解するためのファンタジックな試み」という結論に至る。
その手段こそが全く唐突に表れたブラックキューブ状のタイムマシ―ン!
大雑把に言えば相互の家族が「復讐と防御」という形でバイオレンスを相互にし合うわけだが、それではらちが明かないし、重い犯罪行為が残るだけ。
それらの殺戮行為が全く起こらない方法が一つだけあることに最後になって気付き、あの「摩訶不思議な黒い箱」に一縷の希望を託す・・・・・という流れ。
各映画レビューサイトでは平均点は低いし、エンタメ趣向としては全然物足りない内容なのだろうが、個人的には最初に触れたアートムービー的にまず満足しているし、シナリオ構成としても今回合点できたので、揺るぎない名作として記録しておきます。
「自らの強い意志で動かす未来的義手」を最後になって使いこなせるようになったアリスが明確な強い決断で飛び込んだ黒いボックス。
そのひそかに森に佇む黒いボックスに重なるエンドロールを今回もつい最後まで見てしまった。
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