「重厚な人間ドラマもしっかり捉えた実録ドラマ」サリュート7 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
重厚な人間ドラマもしっかり捉えた実録ドラマ
1985年ソ連の宇宙ステーション、サリュート7号が制御不能に陥る事故が発生。地上へ落下することを危惧した政府は宇宙飛行士を派遣し修理することにし、ヴィクトルとウラジミールが選抜される。まず彼らに課せられた任務は相当な速度で回転するサリュート7号とのドッキングだった。
予告からも滲んでいた通りCGクオリティのみならずとにかく丁寧に作り込まれた映像が圧巻。危険を承知で任務に臨むヴィクトルとウラジミールの涙なしでは見ていられない熱い友情、彼らの任務を地上からバックアップするスタッフ達の焦燥、夜空を仰ぎながら無事を祈る家族達の不安と言った幾重にも重なるドラマをしっかりと見つめる堅実な演出は『ライト・スタッフ』や『アポロ13』辺りから綿々と続く実録宇宙モノと並べても全く遜色ない堂々たる仕上がりとなっています。
ヴィクトルの帰りを待つ身重の妻リリヤを演じているのはリュボフ・アクショノヴァ。ヴィクトルに内心をぶちまける熱さと静かにアパートで待つ慎ましやかさをきっちり演じていて印象的でした。
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