劇場公開日 2018年1月16日

  • 予告編を見る

「【突飛なアイデアでも、しっかりした作りがリアリティを与えてくれる映画】」(r)adius ラディウス 3104arataさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0【突飛なアイデアでも、しっかりした作りがリアリティを与えてくれる映画】

2022年10月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

・2017年公開のカナダのSFスリラー映画。
・交通事故で意識を失った主人公リアム。目を覚ますと自分が誰かという記憶もなく、近くの町に助けを求めるも目が白くなった大量の死体と遭遇。最初はウィルスの原因を疑ったが、実は自身が近づくとなぜか人や動物が死んでしまうことを悟る。そんな中、唯一自分に近づいても死なない女性ジェーンと出会い、彼女も同乗者として事故にあい記憶をなくしていることを知る。さらに、彼女が近くにいるときだけはリアムの近くに人や動物が来ても死なないという不思議なこともわかる。やがて2人は危険人物として警察に追われる身となりつつも、それぞれのなくした記憶と不思議な力の真相を知るために協力していくが という大枠ストーリー。

[お勧めのポイント]
・「生き物が近づくと死ぬ」という異常な設定を違和感なく受け取れる
・全くオチが読めない(でもささやかな伏線はあったのかも?)
・真相がわかったあとの終わり方のむずがゆさ
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

【「生き物が近づくと死ぬ」という異常な設定を違和感なく受け取れる】
・RADIUSの意味は「半径」だそうです。そして、リアムのある半径内に生き物が近づくと死んでしまう物語。なるほど、アイデア主体の映画っぽさが満載です。ちなみに、いくつかのサイトでは「半径15m以内に近づくと・・・」と書いてありましたが、私は映画を見るだけだと15mという数値がよくわかりませんでした。(見逃した??)
・この異常な設定が、不思議と納得できるんです。ともすれば、お金をかけることができずアイデア主体で勝負する学生映画にありそうな設定。でも、学生映画のようなチープさもない。しっかりとした映画として鑑賞できるほどのリアリティ。これは近づいた人の死に方の演出や、その状況を魅せるための物語の運びが、突飛なアイデアをきちんとした映画にまで昇華させている気がします。

【全くオチが読めない(でもささやかな伏線はあったのかも?)】
・事故前の二人の状況、不思議な力の原因、私は全く読めませんでした。いや、これはわかなくて当たり前な気もしますが💦逆に読めた方すごいかも。しかも、それらの真相がわかる終盤の衝撃は大きかったです。この「衝撃」だけでも結構楽しめる映画だと思います。
・ただ、物語序盤で、近くで人が死んでリアムが警察に電話するんですが、なぜか警察に名前を言わないシーンがあるんです。最初は自分の名前すら忘れていて言えなかったんですが、自分の免許証を見つけて名前はわかったはずなのに、なぜか名前を言わずに電話を切るんです。この行動の意味は?がずっと気になっていました。が、終盤の事故前のリアムの状況が明白になり、なるほど。これが序盤の行動の意味とつながっているのではないか?という推察ができました。思い込みかもしれませんが、普通に考えてみても、やはり違和感満載の行動なので、この序盤のリアムの行動は何かしらの意図を持たせたものではないかと思います。

【真相がわかったあとの終わり方のむずがゆさ】
・記憶を取り戻したリアムとジェーン。その後の彼らの行動は、記憶をなくす前の状況では考えられないものでした。それが「何とも言えないむずがゆさ」を与えてくれます。嫌な感じはしません。「むずがゆい」んです笑

【総じて】
・突飛なアイデアをしっかり映画として見応えを持たせてくれいてる作品だと思います。
・緊迫感にハラハラ、真相にワクワク、するSFサスペンス映画だと思います。一度鑑賞されてみても後悔はないかと思いますので、お時間あるときにご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。ありがとうございました。

#カナダ映画 #RADIUS #ラディウス #2017年 #SFサスペンス #キャロライン・ラブレシュ監督 #スティーブ・レナード監督 #ディエゴ・クラテホンホフ #シャーロット・サリバン #むずがゆい映画 #アイデア映画
#全体3.4 #物語3.4 #演出3.4 #演技3.3 #配役3.3 #映像3.5 #音楽3.4

3104arata