スキン・コレクターのレビュー・感想・評価
全3件を表示
愛と感動のハートウォーミング百合映画!
幼き日に父が若い女と駆け落ちし、母が父に捨てられたのは老化のせいだと考えて、加齢に異常なほど拒絶反応を起こすようになってしまった主人公キラ・メイボン…。
ある日突然、皮膚が老化してヒビ割れていく原因不明の難病にかかってしまう。隣人のソフィアに励まされながら通院を続けるが、担当医のババア、クローバーは、とんでもねえ秘密を隠していやがった…!
怖くはない。グロも突然驚かすシーンもない。でも見ていて辛い。それは、終始見る側がキラに感情移入できるように描かれているから。目線はいつも襲う側なので怖いわけがない。でも辛い。キラは殺したくて殺してるんじゃないから。他人の皮を剥くのも、自分の皮を剥くのも嫌に決まってる。ただ普通に綺麗を保って生きたいだけの、普通の女の子。
ただのシリアルキラーものかと思っていたら、珍しいどんでん返しもあったし百合以外の部分も楽しめました。
ラストは悲しいけど、最後の最後にキラが「私は貴女と生きたいだけ。ただそれだけ」って言えたのは本当に良かった。ずっと外見にこだわって生きてきて、ついに怪しい実験にまでボランティアで参加したあのキラが、ソフィアに出会えて変われたんだと。ボロボロになった皮膚ごとキラの身体を抱き締めて、「おぞましいでしょ」って言葉に愛してる、大丈夫って応えてくれるソフィアがいたから。最後の瞬間は、美しさのためでなく、ただソフィアと普通に生きる未来のためだけに新しい皮膚を求めた。泣ける。ソフィアも強い。愛情深い。そんなキラと一緒に逃げることで、キラがこれ以上罪を重ねて、その心まで化け物になってしまう前に…。泣ける。
若かった頃に出会ったのがジョナサンじゃなくてソフィアだったなら、こんな結末にはならなかっただろうに。
ありがち
ピアニストの美女キラは、自分の皮膚が白化してボロボロと剥がれはじめていることに気づく。不安を抱える中、彼女は同じアパートの住人である女性ソフィアと出会い、互いに惹かれ合っていく。ある日、病院を受診したキラは、自分の死滅した皮膚に同世代の女性の皮膚を移植すれば再生することを知る。始めのうちは遺体安置所の死体から皮膚を採取するキラだったが、やがて新たな皮膚を手に入れるために殺人を犯すようになり……。結局、キラは若返りの治験者であって副作用で記憶がなくなることが多いので幻覚のようなものを見てしまう。ソフィアは被験者の監視役であった。自分が若いと思いこんでいたキラは実は64歳であり、娘や孫がいることを知り、訪ねるが逃げてしまう。
前半がひどくつまらないので観るのが苦痛でした。
愛とは共に老いること
電車遅延のため、10分程遅れて観覧。場内に入ってもう不穏なシーンが始まっていた。何だかデビット・リンチ的導入だなぁと。それと子供の声やこれ又不穏なBGMだの、オカルト映画の定石を外さずに演出しているところが逆に珍しい位。
そんな古典的シークエンスから始まる今作。ストーリー的にも同じようにそんなに斬新さはない。肌がどんどん老化していき、死滅していく奇病を患った女ピアニストが、同時にデジャビュ的な慨視感に襲われ、いるはずのない子供の姿や声に悩まされる。一時期な記憶喪失との診断を受けるが、とにかく奇病は治したいとの一心である主人公が、偶然にも他人の皮膚を患部に貼り付けたところ急速に取り込まれ、同化していくことを発見してしまったところから、次々と他の女を襲い、皮膚を剥がしては自分に移植していくという導入部である。
ネタバラシのシーンもまた、予想の粋を出てなかったし、ラストもそこまでのどんでん返しはない。どっち転んでもストーリーとしては成立する内容だ。
今作品の一番のキモは、やはり美しい裸体のオンパレードに尽きるということだろう。確かに若返ったのだから、これでもかと美女のスタイル抜群なヌードを惜しげもなく披露するというプロットが主旨ならば、これは正しい。ま、それだけのサービス映画なんだろうけどね(苦笑
『飽くなきアンチエイジング』という虚栄心に取り憑かれた悲しい女の性がテーマならば、そんなに心に響かない。あくまでもホラー映画だしね。
全3件を表示