劇場公開日 2018年3月3日

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「皮肉たっぷりの題」ハッピーエンド 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5皮肉たっぷりの題

2022年6月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

知的

上品で優雅な雰囲気を覆すミヒャエル・ハネケの突拍子もない変態性、登場人物が続々と混乱しそうになりながらもユックリと落ち着いた時間が流れる物語から理解できる演出描写、場面が切り替わる唐突さで起こる出来事が小まめに散らばり全く読めない展開が最後まで、テンポが良い訳では無いながらの勢いは止まらない。

どうであれ父親の弱みを握った娘はある意味で優越感に浸れそうな、何も知らない今の奥さんに対して憐れんでも良さそうで、赤ちゃんを抱く場面は勝手に想像してしまい怖くなり、父親が赤ちゃんと関わることも奥さんとの場面すら少なくてそこを中心にすら描かないのは観ていて気掛かりになる。

イザベル・ユペールがすれ違い様に振り返り一瞬だけ見つめる場面に旋律が走り、話の展開がもっと面白くなる期待と共に映画は勝手に終わってしまう意表を突く斬新さ!?

万年 東一