「家族のひずみ」ハッピーエンド nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
家族のひずみ
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裕福な生活を送る家族の間のひずみを淡々と描写し、死や破滅を予感させるような不穏な空気が常に漂っています。
スマホ撮影の動画やチャット画面なども挿まれ、生や死を画面の向こう側の世界と捉え実感を持たないSNS世代についても、淡々とした視点を感じます。
それに対比するような、祖父が死の実感を語る場面は、印象深いものでした。
少女が「I☆ JAPAN」と書かれたTシャツを着ている場面があったのも印象に残っています。
日本で起こった事件をモチーフにした部分があるからかも、ということのようですが。
タイトルの「ハッピーエンド」は、死や破滅を予感させつつ、結果的に死や破滅は訪れない、回避できたから、ハッピーエンドということかと思いました。
しかし、絶望や罪や絆の断絶を内包したままで、表面的なハッピーエンドと思われますし、やはり皮肉を感じます。
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