冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた Fine(フィーネ) : 特集

2019年10月15日更新

【まさかのドハマり】 映画史に残る“冴えないヒロイン”の誕生――!
「仕事だから」と見た映画記者も、“普通じゃない魅力”にベタぼれ…
映画好きにも見逃してほしくない“冴えカノ・ムーブメント”完結の瞬間

普段、アニメはあまり見ないわけだが、この作品にここまでハマるとは思っていなかったから、正直驚いた。劇場版「冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた Fine(フィーネ)」の公開(10月26日)を前にテレビシリーズを鑑賞したところ、その大渦のような魅力に絡め取られて抜け出せなくなってしまった。

筆者はアニメ担当ではない30代男性記者である。ぶっちゃけた話、鑑賞は「仕事で仕方なく」というのが動機だ。しかし結果として強く揺さぶられ、わけてもヒロイン・加藤恵の存在にハートを鷲掴みにされた。映画史に残る“冴えないヒロイン”の誕生――。そんな形容がふさわしい、本シリーズの魔力を語っていこう。


“加藤恵” 日本映画の歴史に残る“冴えないヒロイン”――
“普通じゃない魅力”にグッとくる… さらに“物語”も王道でエモい!

丸戸史明氏によるライトノベルをアニメ化した「冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた」(以下「冴えカノ」)。物語を乱暴に要約すると、「高校生たちが同人恋愛ゲームを制作する話」だ。主人公の安芸倫也が、桜の舞う坂道である少女と運命的な出会いを果たし、それを機に「あの子をヒロインにした恋愛ゲームを制作する」と決意し行動を始める。

その少女こそが加藤恵だ。本編を見てもらえれば一発でわかるが、日本映画史に残る“冴えないヒロイン”といっても過言ではない輝きを放っている。

・“メインヒロイン”が、胸が締め付けられるほどキュート!

どこが魅力的なのかというと、“普通すぎる”という点だ。特徴的な外見なわけでも、尖った個性があるわけでもない、アニメのセオリーを無視したキャラクター性。それこそが“普通だけど、普通じゃない魅力”を生み出している。2016年に等身大フィギュアが10体限定で販売されたが、1体の価格はなんと198万円(当時の税込み)! カローラが新車で買えるくらいの超高額フィギュアだが、購入希望者多数により20体に増産されたというから笑える。

アニメ、邦画の歴史上でも屈指の人気を誇るヒロイン・加藤。もっと具体的に……それは本編を見て、自身の心で感じとってほしい。セリフや仕草、言動など、あらゆる角度から胸を締め付けてくるので、覚悟して鑑賞にあたるように。


・単なるハーレムアニメではない… 王道でエモい“青春ラブコメ”!

本作は加藤のほかに、4人のヒロインが登場する。全員が個性の異なる美少女で、全員が主人公に矢印が向いている。こう書くと、単なるハーレムアニメに見えるがそうではない。高校生たちが“作品を創る”姿を描く、王道でアツい“青春ラブコメ”だ。「カメラを止めるな!」などにも通じる“クリエイター讃歌”を含む物語は、映画ファンもきっと夢中になるはず。


・劇場版の感動を最大化する、たったひとつの冴えたやりかた

テレビシリーズでは、紆余曲折を経て1作目のゲームを完成させるまでを描いた。第2期最終話のラスト付近、安芸と加藤のやりとりが忘れられない。劇場版はその先の物語が展開され、シリーズすべてを経験した“ファン”に得も言われぬ感慨をもたらす“ある仕掛け”が用意されている。

つまり、劇場版の感動と加藤のキュートさを最大限味わうためには、テレビシリーズを履修、あるいは再履修するべき。dTVやFODなどで第1期&2期全話が配信中なので、これを機に鑑賞してみるのも一興だ。なお10月19日には、ニコニコ動画で一挙放送が実施される予定。


>>各VODサービスでいますぐ視聴!


【予告編】 わたしはあなたが望む“メインヒロイン”に、なれたかな――?

アニメはあまり見ない編集者に「冴えカノ」を見せてみたら…
「いや、大丈夫です」一度は拒否→「仕事だから…」と割り切って鑑賞→結果

ハードめの邦画のインタビュー記事を脱稿した矢先、上司に「『冴えカノ』全話見といて。特集記事を書いてほしい」と言われたときは、なんの冗談かと思った。タイトルと、やたら人気を博していることは知っていたが、最近のアニメは「ジョジョの奇妙な冒険」くらいしか見ていない自分に、この仕事が務まるとは思えなかったからだ。

「いや(自分が書かなくて)大丈夫です」と拒否することも、至極当然だった。が、結局「頼むよ」と押し切られ、担当になってしまった。「なんで俺なの?」と首をひねりながらも、仕事だから仕方ない、見るか~。家に帰り午後10時にPCの電源を入れ、ビールを飲みながらVODで鑑賞を始めた。

ファンの方々には申し訳ないが、第1期1~2話はまったく世界に入っていけなかった。ところが同3話、すべての景色が変わった。加藤恵。黄昏時の坂道、後ろを歩く安芸に振り向いて「わたしを誰もがうらやむような、幸せなヒロインにしてね」とはにかんだ笑顔を見せる。雷が落ちてきたような衝撃に貫かれた。胸がキューッとなった。加藤の暴力的なまでの魅力に、“秒”で虜になってしまった。

深夜4時、一気呵成とばかりに第1期の鑑賞を終えた。その日から、仕事を終えて家に帰り「冴えカノ」を見る、という生活がしばらく続いた。すると不思議なことに、何をしていても本作のことしか考えられなくなった。「これは重症だ」と思ったが、もう引き返すことはできなくなっていた。

加藤というキャラだけでなく、紡がれるドラマも、深くゆっくりと心に根を張っていった。安芸たちはゲームをつくる過程で、時に悩み、時に決断し、時に後悔に切り刻まれる。青春を経験したすべての人の胸を疼かせるような、エモにエモを重ねた展開。安定的な“日常”から飛び出し、自分の力で歩まなければならない“冒険”に出る、という力強いテーマも印象的だ。目だけではなく、心でも本作は楽しませてくれた。


超人気“青春ラブコメ”が“完結する瞬間”――
映画好きにも見逃してほしくない、ムーブメントの終着地点

人気シリーズの終了は、あらゆるコンテンツにおける一大イベント。「冴えカノ」も、劇場版でアニメシリーズ完結の時を迎える。映画ファンにも、この“祭り”とも呼べる行事に参加してほしいと思う。

・「天気の子」などに比肩する、“アニメ映画界の大注目作”

新海誠監督による長編アニメ「天気の子」は興行収入135億円(10月8日時点)に到達し、2019年度のNo.1ヒット映画に君臨している。「冴えカノ」は、アニメファンの間では「天気の子」などと並ぶ注目作のひとつに数えられていた。ファンの評価は、公開後どうなるのか、目を離すことができない。


・“ムーブメント”の完結を、見逃すな――

原作は12年7月に発売され、シリーズの累計発行部数は350万部に迫ろうとしている。15年のアニメ化を皮切りに漫画化、ゲーム化など、約7年にわたってメディアミックスが展開され、安芸や加藤たちの物語は爆発的な人気を獲得していった。

そんな“ムーブメント”が、完結する――。“このとき、この瞬間だけの出来事”を、目に焼き付けるほかない。

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