「86億円超の協力者」名探偵コナン ゼロの執行人 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
86億円超の協力者
2011年から毎年のように興行成績が右肩上がり。今回はシリーズ最高の86億円超のメガヒットとなり、『シン・ゴジラ』をも抜いてしまった劇場版22作目。
それもこれも先日惜しまれつつ引退した…おっと、安室違い。
安室透。
公安警察の降谷零、黒ずくめの組織のバーボン。
トリプルフェイスの男。
公開時は彼の話題や関連企画やグッズなどで大盛り上がり。「安室LOVE!」、果ては“安室の嫁”を自認するファンまで出現。
コナンを見なくなって十数年経つ者としては、粋なネーミングにはニヤリとするものの、キャラの詳細は勿論、何故これほど人気あるのか呆然。
で、彼をメインにした今回の事件は…
東京サミット開催予定の東京湾の新施設で大規模な爆破事件が発生。
その容疑者として、小五郎が捕まってしまう…!
事件の調査を始めたコナンは、事件に安室が関わっている事を知り…。
先に言ってしまうと、小五郎は単なる気の毒な噛ませ犬。
バーボンとしての顔も持ってるので、黒ずくめの組織との戦いも描かれると思いきや、今回は一切ナシ。
あくまで、公安警察としての安室にフューチャー。
何か秘密を隠しつつ、時にコナンと対立しながら事件を追う。
知られざる公安の世界が描かれ、それはそれで興味惹き付けられる。
しかし、公安警察とか公安検察とか用語がかなりややこしく、小難しい。小さな子供やコナンくん大好き~なんて言ってるミーハーは間違いなく理解していないだろう。
前半まではシリアスな公安/司法のドラマで見応えあったが、最後はいつもながらの人間離れアクション。
さらに、ある物が落下するパニック・スペクタクル。序盤でコナンがそのニュースを見てて、きっと最後にそれが落下する事になって、落下地点に蘭が居て、「蘭ー!」「新一ー!」ってお決まりの展開になるんだろうなぁとは思ったけど。
今回もミステリー要素は微妙。犯人は意外な人物だったが、何だか肩透かし。普通に人気女優が声を担当したあのキャラで良かったのでは…?
毎度毎度のひねくれコナンレビューだが、ここ最近の中ではまあまあ面白かったと思う。
それもこれも“協力者”安室のお陰…?
そうなってくると黙ってられないのが、他の人気キャラ。
来年はまたまたまたまたまたまたまたあのキザな怪盗が登場するようで、目指せ!安室超えの100億円! 人気キャラの座を盗み返せるか…!?