「公安に踏み込む骨太アニメ」名探偵コナン ゼロの執行人 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
公安に踏み込む骨太アニメ
通常スクリーンで鑑賞。
原作マンガは未読。
テレビシリーズは最近ご無沙汰。
アニメ映画の枠を軽々と越えた圧倒的なエンターテイメント大作だと思う。これぞ骨太ミステリーだと、心からの賛辞を送りたい。脚本家・櫻井武晴の世界観が炸裂し、まさに真骨頂。櫻井氏の新たな代表作と言っても過言では無い。
IoTを使ったテロは斬新だし「はやぶさ」みたいな無人探査機が警視庁目掛けて落下するクライマックスはスケールが大き過ぎる。
刑事ドラマが好きだから公安部などの描写の緻密さに興奮した。まるで「相棒」だ。子供向けアニメでここまでやるとは思わなかった(果たして「子供が観て分かるのか?」と云う疑問はさておく)。
伏線の張り方があからさまな気がして、犯人はあいつかとニヤニヤしていたが、まんまとミスリードされた。目星をつけていた人物が全くの的外れ⋯
犯人の正体がとても意外なものだったため、客席のそこかしこから「えっ!」と驚きの声が漏れていた。一緒に観ていた友人も絶句。私も右に同じ。
安室透の超絶ドライビング・テクニックに舌を巻いた。手に汗握り「おおっ!」と声が出た。クライマックスの展開もコナンの劇場版あるあるながら、大興奮の坩堝。なんだかんだ言いながら、こう云う展開が大好きで手に汗握るのだ。
なんにせよ、安室透はなんて素敵な男なのだろうか。何をやっても様になって羨ましい限り。人気が出るのも納得のキャラクターだなと思った。トリプルフェイスを縦横無尽に使いこなし、全てを煙に巻くその手腕、とてもカッコいい。
国家を守ることが絶対的正義である公安。そのためなら手段を選ばず、違法捜査や証拠の捏造、エスと呼ばれる協力者を仕立て上げるのなんてお手のもの、とのお噂はかねがね聞いている。実情はもっと過酷で悲惨かもしれないが、子供向けにしては深いところまで踏み込んでいて驚いた。
普段から警察小説を読んでいたおかげで着いていけたが、詳しくない方は組織や活動内容を予習して行った方が良いかもしれない。私も公安検察に関しては知識ゼロだった。パンフレットに解説が載っていたので、ご参考になさると良いかと。
最後に、福山雅治の手掛けた主題歌「零‐ZERO‐」について。ただ一言、最高だ。見事な余韻に浸ることが出来た。あの声で「真実はいつもひとつ~♪」なんて歌うから心底しびれた。主題歌目当てで観に行ったようなものだが、ストーリーもとても面白かったので大満足である。
[余談]
警視庁捜査一課のキャラクターは「S1S」のバッジを着けていることに気づいた。選ばれし捜査一課員と云う意味である。私がテレビシリーズを毎週観ていた頃は着けていなかった気がする。いつから描かれるようになったのか気になった。
[追記(2018/10/27)]
MX4D初体験。まさか予告編から揺れるとは思わなかった。リピーターと思われる女子、女子、女子。ほぼ満員の劇場の95%が女子であった。全員が「安室の女」と云うことになるだろう。その中に紛れ込んだ野郎一匹。つまり私は、さしずめ安室の男になるのだろうか。それはさておき、エッジ・オブ・オーシャンの爆破シーンから大興奮。安室のカーアクションでボルテージが最高潮に。まるで安室の助手席に乗っているような体験だった。
[鑑賞記録]
2018/04/21:OSシネマズミント神戸
2018/10/06:DVD
2018/10/27:TOHOシネマズなんば(MX4D)
2019/04/26:金曜ロードSHOW!
2020/04/10:Hulu
2022/06/07:Hulu
2023/07/13:Amazon Prime Video
2025/12/29:BS日テレ4K
*修正(2025/12/29)
