劇場公開日 2018年4月13日

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「コナンのアニメ=子供向けという概念を壊す作品」名探偵コナン ゼロの執行人 rioさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5コナンのアニメ=子供向けという概念を壊す作品

2018年4月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

難しい

コナンの本編ではなく毎年の映画だけを見ている層や幼い子供には響きにくい出来になっていると感じました。
しかし、原作本編を読んでいる人ならわかると思うのですが、今のコナンの内容は折り返しも過ぎて、大人たちを圧倒してコナン君だけが活躍していくだけではなく共に戦える心強い味方であるキャラクターたちが増え、ただ子供向けで終わるほど簡単な内容ではなくなってきています。せっかく本編の内容が進んでいるのに映画だけは毎年お約束通りで停滞…それはとてももったいないことです。そのため、この映画の準主役に安室透を持ってきたのは今までのコナン映画の概念を壊して本編自体の存在を意識させてくれる良い衝撃を与えてくれたと感じました。

ストーリーはとてもよく練られて難しすぎず伏線もしっかりと提示され観客も適度に推理で来てわかりやすく、かつミスリードも抜かりなく存在し、コナン映画の見せどころであるアクションは怒涛の勢いと重厚なサウンドで畳みかけてくる。
重い内容だけだと疲れてしまうところに少年探偵団の活躍もほどよく入れてきて肩の力を抜くポイントもある。
2時間に詰めるにしては十分すぎるくらいじゃないでしょうか。
クライマックスに安室とコナンがようやく動き出してからは怒涛の展開たった10分程度ですが、とても熱くて前のめりになりそうなくらいのめり込んでしまいます。
大人が楽しめる新しいコナン映画に、今後の映画にも期待が持てる良い映画でした。

他の方のレビューを見ると公安が嫌なカンジだった、という意見を多く見るのですが、そもそも公安の存在は映画やドラマとして描かれる場合ほぼほぼ「いやなやつら」ポジションになります。公安=気に食わないという印象を受けるのは製作側の狙い通りになっているのでは?

rio