「心に正直に。そして、理解者がいることのありがたさを。」君の名前で僕を呼んで 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
心に正直に。そして、理解者がいることのありがたさを。
オリヴァーとエリオ。ごめんなさい、ほかの人たちが言うほど美しいと思えません。アプリコットをベッドの上で食べることくらい、受け入れることができない世界。
だけど、二人の心が一途なのは伝わってきた。痛いほど。
そして、エリオの父親が、エリオにかける言葉が、優しさと労わりに満ち溢れていた。自然は滑稽なくらいに人間の弱さをつきつけてくる、的なことを言いだしたときに、はっとした。この父親は、エリオの胸の苦しみを理解しているのだ、と。そのあとの「感じた痛みを忘れるな」というセリフが、エリオにも僕にも沁みてきた。
ラストはもう、泣いて見届けるしかなかった。
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