「人と人が出会って恋をする感情のすべて」君の名前で僕を呼んで とえさんの映画レビュー(感想・評価)
人と人が出会って恋をする感情のすべて
これはやばい
大好きだーーーーー
人に恋するときの、切なさ恋しさトキメキ苦しさ悲しさ嬉しさ楽しさが、
ぜーんぶ、ここに詰め込まれてる
観終わってしばらくだった今も私は胸が苦しい
1983年の夏、北イタリアの田舎町で出会ったエリオとオリヴァーの恋の物語
これはLGBTを主張するような映画ではなく
人が人に恋する時の感情をとても丁寧に描写した作品だった
LGBTだからとかではない、誰もが経験する恋愛の映画
その中で、私がメロメロになったのは、ティモシー・シャラメ演じるエリオの目線
いつも視界の端に置いて気にしていた人が次第に視界の中央に現れて、いつしか世界の全てになる
エリオが相手を見つめる位置も、角度も、ウルウルしちゃう気持ちも、全部が分かるなぁぁぁぁと思った
恋をすれば、みな臆病になるし、ちょっとした反応で嫌われたかな?って悩んじゃうし、離れればすぐに会いたくなる
そんな2人の恋を
北イタリアの太陽と川と緑と赤いアプリコットが演出する
イタリア自由な空気が、彼らの恋を優しく包み込む
これは、NYでも、LAでも、ロンドンでもなく、北イタリアじゃなきゃダメな映画だった
そこもまた、この映画の素晴らしさだった
エリオがオリヴァーを見つめる視線にドキドキし、幸せな時間にどっぷりと浸り、最後には号泣だった
脚色賞を受賞したジェームズ・アイヴォリーは89歳なんだとか
この初々しい恋の感覚は、89歳の人が書いたとは思えない
アカデミー賞も当然だと思う