「不評バイアス」移動都市 モータル・エンジン うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
不評バイアス
なぜ不評なのだろう?
不評だから、不評としか言いようがない。
「あの映画見た?どう思った」もし、友達に聞かれたら、どう答えるか自分に問うてみた。
「いや、良かったけどね。なんであんな不評なのかな。」たぶん、こんな意見になるのだろう。可も無く不可も無く。これと言った印象も残さないまま、記憶の片隅に消えていく。まるで、『クラウド・アトラス』や『スノーピアサー』のように。
だからと言って、韓国資本の映画でも無さそうだ。ニュージーランド、アメリカ映画という独特のアイデンティティーを持つ作品。『ロード・オブ・ザ・リング』に近い血縁なのかも。ピーター・ジャクソンと言えば、『キングコング』も、興行的に苦戦した。もう「終わった人」扱いなのかもしれない。
設定的には、宮崎アニメにも通じるものがある。そして、絵面はスターウォーズのEPⅠ~EPⅢのいいとこどり。だからって、ドロイドとかクリーチャーが出てこないし、もちろんジェダイもいない。ちょっと古い。最新のディズニー3部作には遠く及ばない。でも、これが、ジブリ制作のアニメ作品だったら、日本で大ウケしそうだと思うんだけど。
思うに、不評バイアスのような力が働いて、オタクには容認しがたい作品になったのだと思う。ストーリーは複雑そうに見えて、非常にシンプルな一本道だし、主役級のキャラに魅力が足りない。いっそ、全部のキャストをあと10歳ずつ若い子役タレントで撮ったほうが、受け入れやすかったんじゃなかろうか。