劇場公開日 2019年3月1日

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「ジブリ名作の実写化か…(笑)」移動都市 モータル・エンジン bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ジブリ名作の実写化か…(笑)

2022年8月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

見逃していた作品を、Amazon primeで鑑賞。

これまでの評価はそれほど高くはないが、自分的には、なかなか面白かった。舞台は、世界が滅亡した『60分戦争』の、数百年後の荒れ果てた地球。生き残った人々が、鉄の塊の巨大戦車の様な移動都市に暮らし、強き移動都市が弱き移動都市を捕食し合う、弱肉強食の世界。

その頂点に立つ『ロンドン』の移動都市も、資源が尽き、運営が困難になっていく中、リーダーであるヴァレンタインは、ある恐ろしい計画を企む。そんなヴァレンタインに対して、嘗て、母を殺され、自分の顔にも酷い傷をつけられた少女・ヘスターは、復讐を誓い、ロンドンに乗り込む。そんなヘクターの復讐劇が、VFXを駆使した移動都市の壮大な迫力ある視覚効果と共に迫ってくる。

最近のSF作品は、ストーリーや登場人物の設定が、複雑な作品が多い中、本作は、ヴァレンタインの野望とヘスターの復讐を軸に、ヴァレンタインの企てを、命がけで阻止するという、分かりやすい展開となっていた。また、ラストには、サプライズ的な2人の因縁も描かれていることで、ドラマチックな人間関係も含めていた。

但し、確かに度肝を抜く迫力ある映像で面白かったが、どこかで観たことのある乗り物や設定が気になった。ジブリ名作をかなり意識している、と言われても致し方ないシチュエーションが目立った。

例えば、
『ハウルの動く城』
・ハウルの城をバージョンアップした、鉄の塊の移動都市
『風の谷のナウシカ』
・戦争によって荒れ果てた地球上に残された、わずかな人々の世界
・地面を蠢く王蟲のような移動都市
・巨神兵を彷彿とさせる、最終兵器の凄まじい熱光線
『天空の城ラピュタ』
・ロンドンと対峙するジヘの操縦する飛行機は、ドーラの飛行機そっくり
・空に浮かぶ天空の基地は、正にラピュタ
・そして、シータ役が主人公の強き少女・ヘスター、パズー役がシータの協力者の男子・トム
等々・・・。

しかし、だからと言って、面白くないわけではないし、それを念頭に入れて似た所探しをしながら観るのも、それなりに十分に楽しめると思う。まあ、さながらハリウッドが、本気になってジブリ作品を意識して、実写化したような、しないような…。

主要人物はのヘスター役のヘラ・ヒルマ―やトム役のロバート・シーハンは、あまり馴染みは無かったが、ヴァレンタインには、あの『マトリックス』のエージェント・スミスを演じたヒューゴ・ウイービングが、憎たらしいラスボス役として務めている。

bunmei21