「SFエンタメとして観れば面白い」移動都市 モータル・エンジン りかんさんの映画レビュー(感想・評価)
SFエンタメとして観れば面白い
何故移動都市が移動都市を捕獲するのかとか、何故静止都市をそれほどまでに手に入れたいのかという根本的な部分はよく分からないw
せめて初期のスターウォーズのように、本編が始まる前にある程度の説明があれば良かったのに、とは思う。
ただ、何も考えずに娯楽映画として観るなら面白い。
ただ主役級の男の子がちょっと弱いかな。
主役の女の子の表情や目力が迫力あるから、男の子ももう少し華があって表情豊かな演技力のある俳優さんの方が良かった気がする。
シュリック?(死人を機械化したもの)のエピソードが興味深かった。
シュリックには、自分が気づいていないだけで、死ぬ前の記憶がほんの少し残っていた。
だから、息子だか弟だかに似せた人形を無意識に作っていた。だから、主役の女の子を育てもした。
目が異様に緑に光っていた時は、「自分では気づかない」怒りと愛ゆえの執着に凝り固まっていた時。だから不死身である。単なる機械だから。。。
しかし、「愛」という言葉を自分が発した時、初めて自分の過去は人間であり、自分には心があることに気づく。そして女の子を恨んでいたのではなく、愛していた事に気づく。
自分が愛を実感した時、単なる機械ではなく人間に戻り、もともと死人から作った機械ゆえシュリックは死んでしまう。
物悲しいエピソードである。
このエピソードをもう少し分かりやすく描いてくれたら、このエピソードは無駄と言われることもなかったと思う。
私自身はこのエピソードに一番感動した。