「世界観が良いだけに」移動都市 モータル・エンジン MOTIさんの映画レビュー(感想・評価)
世界観が良いだけに
世界観が良いだけにもったいない。
掘り下げようと思えばいくらでも掘り下げられそうな題材なのに、よくある戦争モノ捻って都市要素いれてみました程度に終わってしまい残念。ただバトル、人間ドラマ、映像美…そういうのを主に期待した人には良いかも。一方「都市」っていうところに惹かれて観た人は消化不良に感じると思う。
良いとこ
・個人的には前半30分までの、移動都市での生活、都市の飲み込み方(物理)、南部都市の奴隷オークション、博物館に飾られてた割れたスマホと「アメリカ古代の神々(笑)」がピーク。こういう都市っぽさは堪らん。
・ロンドンの市民も反移動都市の市民も同じように戦争に熱狂してたところ。(反「移動」であって反戦ではない)指名手配されてたアナ?も最後まで倫理観で戦ったわけではなく。どっちかが戦争反対だったら勧善懲悪モノに落ちてたかも。
・女主人公と男主人公がキスしなかったところ。キスはそう意図せずとも性的になるからな……盛り上がるからってぶちこんだらラブコメに落ちてた。
・量子爆弾の爆発描写。実際ああなるかは知らないけど
気になるところ
・女主人公を育てた人造人間的な奴とかそいつらはこの世界でどういう位置付けなのか(自分が見落としたのかな?)
・南部都市はなんであんな荒廃してんのか。
やっぱりここでも世界観の掘り下げ不足が心残りとして出てくるなあ。
つっこみどころ
・女主人公の育ての親ロボの「(物語上)重要なペンダント渡す役」感。この役やるために脚本家に嫉妬深+癇癪持ちロボにされたって意味で可哀想な子だった。母親死んでからどう育ったの?っていう穴も埋められる便利な子……。まあもしこのロボがずっとペンダント預かってなかったら、もっと早く気づけば戦い止められたじゃねえか!ヒロインの無能!ってなってたので大事な役ではある。
・制作側はアナ?(反移動の指名手配されてた赤服)をよほど気に入っていたのかな。しっかし心の強さで死を恐れない有能キャラは死ぬよな!まるでストーリー上死ぬのが正しいけど、勿体ない良いキャラだから死を恐れない設定にしたみたいだ!男主人公とスキル(操縦)が被ってる時点で死亡フラグはすごい立ってたけどね。
・爆弾ストップのパスワードがガバガバ?一回クリアした数字は次間違えてもそのままのタイプだった?サマーウ◯ーズであれ!なんかヒントとかあったのかな、でも特に言及されず。
・男主人公は女主人公と共に行動すると一気にクソ無能になる。一方、火花散る中で巨大チェーンソーをくぐりぬけるなどの逞しさも見せる。
・男主人公の動機がずっと不明瞭。最後に風の行くまま空の旅しようとか急に言い出すし。
・1000年後のファッションあんま今とかわんねえ~
つぶやき
・遊牧民族どうしてんだろ?
・日本人俳優って出ないな~いたらおもろそう
・人以外の動物はどこ
最後に
ロンドンの人が観たらどう感じるのか気になる。やっぱだいぶ印象違うでしょうね。