劇場公開日 2019年2月8日

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「突き動かすもの」ファースト・マン ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5突き動かすもの

2019年2月9日
iPhoneアプリから投稿

ニールを突き動かすもの、それは、家族のもとに生還するという、生への執着、信念だ。
冒頭のシーン、ジェミニ計画のドッキング後のアクシデント、多くの友人が亡くなった後のテスト飛行…、国家の威信や、科学の進歩など様々な思惑やモチベーションが渦巻くなか、全編を通じて、ニールは感情を抑制しながらも、確実に生を掴みとっていく。
ただ、アポロ11号計画で月面に降り立ち、娘を回想するシーンで、もしかしたら彼は亡くなった娘に会うために、死んでも構わないと思っていたのではないかと考えさせられる。
旅立つ前に、ジャネットに促されて対峙した二人の息子が、彼を死への欲望から生に引き戻したのではないか。
そして、娘に対して、そっちに行けなくてゴメンねと。
家族は勇気をもってニールを送り出し、ニールは再び家族の待つ地球に立つ。
そう、これは、家族の物語なのだ。

ワンコ