「予告編は詐欺に近い」マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー woody.woodbearさんの映画レビュー(感想・評価)
予告編は詐欺に近い
一言で言えば残念でした。
予告編で普通に出ていたドナ(メリル)が冒頭で死んだ話が出た時点で不安しか無く…。
あの予告で使ってたドナのシーンってソフィにしか見えてない(霊的な?)だったり、本編関係無しのラストのサービスシーンからだったり、使い方がズルい。むしろそれで客足が遠退く事を考えての意図的な騙しじゃないのか?とさえ考える。
ミュージカルシーンの入り方も前作と比べると雑に感じた。選曲も前作でヒットナンバーを使い切ったせいかいまいちピンとこない曲が多い印象。
新しいキャストに関しては好き嫌いは置いておいても、ラストのルビーとフェルナンドのシーンは完全に蛇足だと思えた。いきなりそんな設定を持ってこられても唐突過ぎてポカーン…だったし。確かに素晴らしく上手いんだけどシェールの歌が作中で浮いて聴こえる。
設定の方もロージー達とビルが過去に会ってたとか、前作でそんな感じだっけ?せめて前作との整合性は配慮して欲しかったし、ソフィの親友二人が話の端にも出てこないってどういうこと?
否定意見ばかりであれですが、新しいキャスト達は歌唱力の高い人達ばかりだし、前作からの小ネタとして前作では映像特典だけだったソフィの曲を若いドナに歌わせたり、若いドナが島への船に乗り遅れるシーンは前作のサムとハリーのオマージュだったりとニヤリとさせられるシーンはあります。
ロージーとターニャは相変わらず魅力的で、要所要所で笑わせてもらいまし、サムが一人で歌うS.O.Sは悲しくも良い演出でした。
ダンシング・クイーンのかかるシーンはベタベタだとは思いながらもやはり盛り上がりましたね(ビルとハリーのタイタニックも素敵でしたw今回は基本的にハリーがコメディリリーフな感じが…)
前作では何かとドナに喰われていた印象のソフィが今回はしっかりと主役としての存在感があり、娘から母になっていく彼女の精神的な成長はとても美しく、洗礼式でのドナとのデュエットはめちゃくちゃ泣かされました。
でも、だからこそ本当に親になっていく新しい世代を見守る(時にはじけて)、その親世代としてのドナ達が観たかった。彼女の不在は本当に残念です。
今回はあまりハッピーになれる作品ではありませんでしたね。私は。