劇場公開日 2018年5月18日

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「"文明の呪い"となった「メカゴジラ」の存在感」GODZILLA 決戦機動増殖都市 平田 一さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5"文明の呪い"となった「メカゴジラ」の存在感

2018年6月11日
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鑑賞方法:映画館

知的

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"活劇要素"を押し出した『怪獣惑星』とは違って、『決戦機動増殖都市』はある種の"呪い"を描いてました。

自分は機龍ファンなので、正直コチラはイマイチでした(笑)何しろゴジラとガチンコ勝負をしないのです。それは無い!

ですが都市という「概念」に変貌したのは面白いです。自立金属のナノメタルで生成されたメカゴジラは、どこかラピュタの滅び去った超文明に通じていて、それが人とビルサルドの間に摩擦を生じます。このテーマは前作よりも深いテーマを担っていて、ハルオという主人公の存在意義にもつながるので、そこは非常に素晴らしい展開に仕上がっています。

ただあれだけ冷静沈着インテリマッチョなガルグさんが、まるで乱心したみたいな後半はイマイチでした。部下のベルベも同じですが、あれだけ協力し合っていたのが、ナノメタルで袂を分かつ。そのドラマが弱いかなと正直感じてしまいました。

もうちょっと葛藤を描く必要がありました。ハルオの機転と采配に一度は感謝のガルグさんは、そこで自分の行動が正しいのか迷うべき。ハルオたちと過ごした時間で学んだことを守るべきか、既に過去の遺物と化したメカゴジラに執着するか?時間を割いてでもその迷いと答えを描いてほしかった(結局態度は変わらないまま、あの結末になりましたし)。そうすれば種族間のドラマもさらに深まったはず。

いっそ己の過ちにやっと気付いたガルグさんが、他の仲間へ退避を諭すベタな場面が欲しかったです。そうすればドラマの幅も一気に拡散するでしょうし、ベルベさんに己が気付いた過ちを託せたはず。

ベルベさんは人類と比較的友好でしたし、彼がガルグの遺志を継いでハルオとゴジラへ挑めたはず。下手したら揶揄していたフツアの民からヒントを得て、ビルサルドの価値観を変える役を担えたはず(アダムと一緒に行動するパートとかも面白そうだし)。最終章への期待値がさらに倍増できたと思うし、ここで退場させたのは、ちょっと勿体無かったなあ…。

次回はいよいよメトフィエスと“あの怪獣”のターンですし、フツアの民の登場なら、“あの怪獣”も参戦のはず。

いずれにしても11月もスクリーンで拝見します。

平田 一