「SF映画としては悪くないと思います」GODZILLA 決戦機動増殖都市 シャンゼリゼさんの映画レビュー(感想・評価)
SF映画としては悪くないと思います
4DXや3D上映が無いため川崎チネチッタの「LIVE ZOUND」を鑑賞しました。ゴジラの咆哮を堪能するならコチラお勧めします。凄い迫力です!
高校生位から中高年の観客が多かったですが意外にも小学生のお子様もチラホラ。ストーリーが難しいので理解出来るかは疑問です。
次回最終作?とあって今までのゴジラ怪獣のオマージュもチラホラ出始めました。
今回のメカゴジラ・双子のマイナとミアナ(鱗粉・卵・太陽との言葉からモスラと小美人)・次回作のギドラ(もしかしたらエネルギー体とかかも知れない)。伏線として非常に楽しみです。
アニゴジは「怪獣惑星」から見ていますが、人類の存亡にかかわる「災厄」に色々な種類のヒューマノイドが英知を結集し立ち向かう物語。SFアニメとして決して悪くない。ただ「災厄」がゴジラであったため結局「コジラ映画」の呪縛や十字架の様なものを背負わされてしまったと感じます。
今回の「決戦増殖機動都市」はメカゴジラ未登場で叩かれている様ですがストーリーではなく宣伝やマーケティング手法の問題と思います。確かに「人類最後の希望、メカゴジラ起動」と煽り、映画のチラシや前売にもメカゴジラ描かれていましたし「メカゴジラ開発提案書」なるものを拡大配布し期待させるだけさせておいて・・・等の意見は私も同感です。
ただメカゴジラが怪獣態を成していなければならないルールは無い訳ですしハルオらがメカゴジラに搭乗しゴジラ・アースといきなり戦闘というのもどうかと思います。怪獣VS要塞というのも悪くないと思います。
本編ですが前作同様画面が暗く人物がアップになりセリフを喋るシーンが多い(今回は戦闘シーン増えていると思いますが)。このあたりで退屈だと感じてしまう人も多いと思います。
今回、私が注目したいのがハルオの変化。ただ「ゴジラを倒し人類の手に地球を取り戻す」という怨讐の様な感情で自軍の被害を顧みず突き進んで来た彼が「これは私怨なのか」と苦悩し始める。ゴジラを倒す寸前まで行くもヴィルサルド人との「生」への価値観の違いからナノメタルと同化する事を拒み、人として生き人としてゴジラを倒す事を選択したハルオ。本作前半迄は暗いキャラクター・無能なリーダーといった印象でしたが、後半は雄々しい・男の自分が見ても「カッコイイ」キャラクターと感じました。
ただ、後一話で人類が地球に帰還するまでをキチンと描けるのか疑問。脚本が「マドマギ」「鎧武」の方ですので鬱エンドの可能性も。
今回のゴジラが「ゴジラ・アース」と命名され、地球環境・生態系全体がゴジラに奉仕しているという概念は脱放射能ゴジラとして非常に練られた設定だなと感じました。