「これでいいのだ・・・大河ドラマなのだから。」ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
これでいいのだ・・・大河ドラマなのだから。
これでいいのだろうか(これでいいのだ)。
脈々と続く、"魔法使い大河ドラマ"。大ヒットが約束されているので、何をやっても許される。確かに"凄い"、"可愛い"、"カッコいい"の形容詞をいくら並べても問題はない。
にもかかわらず、見終わって冷静に振り替えると、ストーリーはあまり進展しない。いつもの"善 vs 悪"なプロレス構図と、"実は〇〇は××の血縁でした・・・"のJ.K.ローリング節に振り回されるだけ。
予定される全5作品の第2作目で、今後につながる人間関係の"大きな秘密"がエンディングで明らかになる。ここが本作の唯一の見どころ。
圧倒的な3D映像と4D効果(雨と水のシーンを多用しているのは、明らかに4D上映を意図している)は、さすがエンターテイメント性抜群。完全なるアトラクション向け映画である。これを2Dで観るのはもったいない。
前作の話題性が、ジョニー・デップのキャスティングなら、今回はジュード・ロウが若きアルバス・ダンブルドア(Albus Dumbledore)を演じること。ハリー・ポッターのホグワーツの校長先生である。
完全にハリー・ポッターのスピンオフ色を濃くしてきた。
前作のほうがストーリーの新規性は面白かった。ほんとうは、ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)による新展開に行ってほしいのだけれど、J.K.ローリングの才能の枯渇というか、開き直っているというか、確信犯的な"つづく映画"である。
魔法動物の活躍も、ファンなら大満足。これでキャラクターグッズが、またバカ売れ。ユニバーサルスタジオのキャラクターと誤解されやすいが、ワーナーの思うツボである。
(2018/11/23/ユナイテッドシネマ豊洲/シネスコ/吹替翻訳:岸田恵子)