「「原作<アニメ<実写化」な希少な作品。」恋は雨上がりのように shotamalさんの映画レビュー(感想・評価)
「原作<アニメ<実写化」な希少な作品。
最近雨続きだったので、大好きなこの作品を振り返りたいと思います。
「恋は雨上がりのように」
キャストもあらゆる描写も、すべて原作と比較して、違和感なく丁寧に再現することが出来ている希少な作品です。
小松菜奈さんは若手の女優さんの中で、個人的に見た目が一番ドストライクな方です。
クールさと神秘的さ、可愛らしさのバランスがとても魅力で憧れます。
原作のアキラが漫画からそのまま飛び出してきたようなハマり役です。なにより泣き顔が神秘的で美しすぎます。
大泉洋さんは、最初キャスティング見たときは「なんかイメージと違う?」と思いましたが、見ているうちにだんだん原作の店長に見えてきます。テレビで裏話として大泉さんが、「店長のスタイルの良さを再現するために劇中、背を高く見せる靴を履いている」と話していたように、キャラクターの細かいところも気を使い、丁寧に「店長」を演じられています。
ちょうど当時、映画上映中のタイミングと原作の最終巻発売が同時期であったため、私は映画を見てから最終巻購入しました。
両者比較しましたが、物語ラストに限っては私は断然!実写映画推しです。
漫画を読んでいて、この物語はアキラという夢をなくした少女が「雨宿り中に見つけた恋心」を描いているのだと思いました。しかし雨もずっと降り続くわけではない。雨宿りとは人生の中で一時的なものであり、あくまで心を癒すまでの少女の「通過点としての恋」を描いた作品なのだと思っていました。
店長もアキラが雨宿り中であることは知っている。自分に向けられた恋心も、今の少女に必要な「通過点に過ぎない」と理解していました。
アキラを恋愛対象として受け入れることはしませんが、決して突き放すわけでもない。いつか彼女の雨が止み、本来いるべき場所へ戻れるまでは寄り添う、そんな儚い2人を描いた物語だと思っていました。
しかし映画でのラストを見て、その考えが覆りました。
アキラは夢を再び持ち、同世代の仲間たちのいる、本来いるべき場所へ帰っていった。
アキラの雨宿りはすでに終わったのです。
そんなラスト、店長とアキラは偶然再会し、以下の言葉を交わします。
「私たち友達ですよね」
「友達なら私、店長とメールしたいです」
美しく溢れる涙とともに、店長にそう伝えるアキラ。
それを笑顔で受け入れる店長。
この描写から、アキラの恋は雨上がり後も続いていること、この恋心は挫折中(雨宿り中)の通過点ではなかったことを物語っています。
彼女は店長に、本気で恋をしているのだということがわかりました。
アキラ、通過点の恋だなんて勘違いしてごめんね。
いや、通過点な恋って大人になる上で経験すべき大切なことだからそれはそれでいいんだよ?店長も大人だからその辺の乙女心はわかってるよ?
でも、アキラの恋心は本物で、これから先も続くんだね。今は恋人になれなくていい。それでも店長と長く繋がっていたいと思っているんだね。
そうひしひしと伝わりました。
2人はこの先数年間、メールをしたり、店長が書いた本をアキラが読んで感想を言い合ったり、たまに店長の子供も一緒に出かけたりと、友達としてお互いに心地よい関係を築いていくでしょう。
しかし数年後、あるいは数十年後に、大人の女性になったアキラと店長が恋人として結ばれる未来も想像することができる。
そんな映画のラストが、とても素敵だと思える作品でした。
syu32さん
早速のご返信ありがとうございま
す!
最初少女漫画だとおもいますよね!笑
でも原作漫画家の眉月先生は女性ながらも青年漫画を描いている漫画科さんなんです。
原作は未読とのことでしたので、もしよろしければお時間ある時に、レンタルされてもまた楽しめるかと思います。
TSUTAYAレンタルコーナーにも、少女漫画のピンクピンクしたブースではなく、きちんと青年漫画コーナーに置かれていることが多いので、手に取りやすいかと思います(^_^)
また天気の子のレビューも読んでいただきありがとうございます。
最近レビュー始めたばかりなので、拙い文章でお恥ずかしいです^^;
2回目観られた後、またご感想などぜひ聞かせていただきたいです!
shotamalさん、コメントありがとうございます。共感もありがとうございます。
自分の認識不足でした…。てっきり少女マンガだとばかり思っていました。
映画館で観られなかったことを後悔するほど、清々しくて後味爽やかな作品だなと感じました。
この場をお借りして恐縮ですが、「天気の子」のレビューも拝見させていただきました。
深い考察に目からウロコでした。近い内に2回目の鑑賞に出掛けようと考えているのですが、違った視点から観直せそうです。