「橘さんを呼んでいる本があるのかもしれない。」恋は雨上がりのように くりさんの映画レビュー(感想・評価)
橘さんを呼んでいる本があるのかもしれない。
本が好きな人にとって
自分と廻り合う本は、
相思相愛であって欲しい。
そう、
自分が見つけるんだけど、
本も自分を気に入ってくれていて
呼び掛けてくるから
存在に気付けたのだ。と。
本の匂いに包まれた海のなかから。
図書館でのデートは、
セリフも
本フェチというか、活字中毒の人
ならではの、アルアルに
溢れたセリフがたくさん。
出会いの設定からして、
人生の煌めきどきのあいだの
黄昏時を、
雨宿りに例えたあまどきの
シーンが多くて、
韻をふんだ発想が小説のよう。
展開するシーンからは、
単純な歳の差のある恋愛話だけに
みえがちなんだけど、
ちょっとちがう。
自分の心を癒してくれた相手への
真っ直ぐな信頼感と
それを不器用に対応する大人の理性の
葛藤が、二人の演者によって心地よく
降り注ぐんです。
菜奈さんと洋さんだからこそ
表現できた世界にたっぷり浸れて
心地よくて。
個人的には、
泣かせる場面よりも
コメディタッチのシーンが
好きです。
臭い疑惑からのシャツを匂う場面は
おもしくって。
雨宿りの終わりは
菜名さんのアキレス腱断裂からの
復帰話。
最後のランニングの場面では、
前向きな生活に戻って、
雨宿りを卒業していても
心はあの時の癒しの存在を
忘れていない。
つたない理由で、連絡先を聞いて
つながろうとする彼女の姿が
なんともせつない。
雨宿りの期間の思いを、
過去は通過点で振り返らない~
という扱いではなく、
今の自分を作った関係性を
大事にする彼女の一途さに、
素直な恋心がかさなるなぁ。
いつか、
どこかに置いてきた感情に、
出会えます。
アニメとはちょっと違うエンディングだったけど・・・小松菜奈さんは見事な「目元」の演技でしたね。たとえセリフが無かったとしても「あきら」が何を伝えたかったのかがわかった気がしました。「続編がある?」なんて声もあるようですが・・・それは個人が「観て、感じた」まんまが話しになるのでは?・・・そんな感想です。
くり様
コメントありがとうございます。
単なる年の差ラブコメになってないところがいいですよね。
青春真っ只中の17才と、青春を思い出した45才。
関係性が爽やかで。笑笑。
まだ撮影中に原作も読みましたが、
台詞が少なくて静かな展開でした。
あまり多くを語らない心理描写が中心の作品なんですね。
私はキャストもぴったりだと思いました。
主題歌も良かったですね。