イカロスのレビュー・感想・評価
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傑作ドキュメンタリー
本作視聴前に「疑惑のチャンピオン」を見ておくと良い。 本作でも言及されている自転車選手ランス・アームストロングを描いた作品。 で本作。 中盤以降、思いがけない方向に展開するが、その展開に驚愕するのは視聴者より監督たちの方だろう。 「スーパーサイズ・ミー」のドーピング版として初めたのに、国家ぐるみのドーピングを暴く手伝いをするなんて… 本作ではロシアが主に取り上げられているが、これはロシアだけではない。 国際大会のたびにドーピングで摘発される選手がいて、たいがい 「カゼ薬を飲んだがそれに禁止薬物の成分が含まれていたのかも」とか言い訳するけど、「疑惑の〜」とか本作を見た後だと、 「本当か?」と疑り深くなる。
真実と事実の狭間で羽ばたく偽の翼。
内容は国家絡みのスポーツドーピング疑惑の真実と事実。印象に残った言葉は『それが真実である』まだ言うかぁと呪いだなぁと感じました。オーウェルの1984引用する辺りが時代感じます。蝋で固めた偽物の翼でも飛べると分かれば背負わずに居られないのが人の性。薬は悪く無い扱う人の問題。それが政府や国家が悪いと論点が、すれ違って呆けてしまったのは残念。自分は、スポーツ楽しむ派で見る派ではないのですが、同じ様な事は繰り返す歴史の必然性に何が自分に出来るか考えたいものです。でも、あの場面(立場)にはなりたくないなあ。
すごかった
オリンピックやスポーツの負の側面、特にドーピングにスポットが当たっていて、今こそNHKのゴールデンで放送すべき映画だ。バッハ会長が度々出ており、出る度に「このクズが」と思う。
主人公が自らドーピングの被験者になって自転車の大会に出場するのがすごいのだけど、結果は振るわず成績が下がる。
グレゴリー博士が明るくてエネルギッシュで魅力的だったのだけど、告発してから恐怖におののいていて気の毒だった。
ロシア怖え
2021年5月22日 映画 #イカロス (2017年)鑑賞 @Netflix #アカデミー賞 #長編ドキュメンタリー映画賞 受賞 薬物を使ってもドーピング検査をパスできるかロシアの専門家の協力の元で実験していた時に、ロシアが国家ぐるみでドーピングヲタ行っていたことが明るみに。専門家も命の危機に晒されることに
そこら辺のサスペンスより見応えある
ロシアの国家規模のドーピングを命懸けで告発した、ロシアの科学者に迫ったドキュメンタリー。 . 前半は正直面白くない。監督のブライアンが自転車のレースでドーピングをしようと、ロシアのドーピングラボ(?)の所長に協力してもらってる様子が続く。 . その所長はおしりに注射を打てやら、おしっこを冷凍しとけとか何やら指示を出してて、それがドーピングをバレずにする方法らしいけど、何が楽しくておじさんがケツに注射さして血が出てくる映像見なきゃ行けないのか。 . なんて思ってたら、後半はなかなかの緊迫感と見応えあるサスペンス。告発するエピソードに出てくる、プーチン含むロシアの政治家の顔なんか全員ゴッドファーザーに出てきそうだし。 . そいつらがまだ普通に活動してると思うと怖い国だよロシア。東京オリンピックももうすぐだし今見といてよかった。
ロシアスポーツ界の腐敗を見事に描ききった傑作
スポーツを国威発揚に使い、政治利用しているロシアの腐敗政治を見事に描き切った。
国家ぐるみのドーピングが1968年から行われていたことの衝撃が強い。
首相、大臣、ドーピング検査所の所長、全てがロシア選手のドーピングに関わっていたなんて信じられない。
そうまでしてプーチンは国民の支持を得て政権を維持したいのであろうか。首相の座を守るためなら手段を選ばないと言っているようなものでものすごく恐ろしい。
この人たちにとってスポーツや努力、正義、良心とは一体何なのだろうか。
思いがけない方向!!
出だしのノリから思いがけない方向へ話が展開していくのが良かったです。家族が安全ではないのに告発を始めたのは早まったと思います。東京大会を誘致した電通のように、IOCは大金を積めばいくらでも買収できますが、それには触れていないので、長い割に何とも言えない内容になっていると思います。ロシアだけ悪者に描いたのが、アカデミーに好かれたのだと思います。
事実は小説よりも奇なり
能天気なドキュメント物だと気楽に見始めたら、途中から驚愕の展開! ただ、このドキュメントではロシアばかりが悪者にされているが、ドーピング問題は世界中で発覚しているのも事実で アメリカさえも例外ではないことも、忘れてはならない。
驚愕の事実発覚でまさかの展開!
ちょっと最近自転車レースの調子が悪いからドーピングしてみよっかな~といった危ないリアリティ番組的なもの(実際前半はそれっぽい)かと思っていたんですが、お話が進むにつれ、トンデモない社会派作品へと変貌します。ロシアのスポーツ界の実情、ドーピング隠しの驚きの巧妙な手口と実態、そして国家ぐるみの陰謀渦巻く展開には驚愕するしか...当事者の命の危険を、見ているこちらまで感じてしまう程のリアリティとスリリングな展開に身震いしました。しかもオリンピックの開催時期というタイムリーさ。製作者は最初の意図とは違ったのかもしれませんが、ドキュメンタリーの持つ”伝えるパワー”が半端ない作品でした。アカデミー賞を受賞するのも頷ける社会派ドキュメンタリーの傑作!
架空の出来事ではない
オスカー受賞後にさっそくnetflixで。 これは見応えあった。 スーパーサイズミーよろしくドーピングをやってみよう!と考え実行してたら、ロシアの本丸に当たっちゃった!というシャレにならない展開のドキュメンタリー映画。監督も意図してない方向への進み具合が凄い。 国家ぐるみの怖さ。スポーツに限った話でなく、ロシアに限った話でもないだろう。今の日本も似たようなもの、と考えさせられた映画でした。
アマチュアの自転車選手でもある本作の監督がドーピング検査の有効性を...
アマチュアの自転車選手でもある本作の監督がドーピング検査の有効性を検証するドキュメンタリーを企画、専門家のアドバイスのもと自らの肉体にドーピングを施して身体能力を高めながら激しいトレーニングを行い、過酷なアマチュア自転車レース、オート・ルートのドーピング検査をパスすべく準備を進めるがこの企画に興味を持ちながらも自らの評判が傷つくことを躊躇したUCLAの協力者が辞退、代わりにロシアのアンチドーピング機関の所長ロドチェンコフを紹介したことから、当初の企画とはかけ離れた事態に巻き込まれていく。
前半ではドーピングの過程と検査を通過するための裏技を克明に見せ、後半は過去のドーピング疑惑に起因するロドチェンコフの身に迫った危機回避の過程と国家規模のドーピング疑惑告発の手順を畳み掛けるように見せる、本作がドキュメンタリーだということ自体が信じられないほどのテンションに満ちた、リアル『野性の証明』のような背筋が凍るサスペンス。タイトルの意味については随所に挿入される流麗なイメージ映像で示され、某小説になぞらえて進行する後半は手に汗握るスリルに満ちています。必見です。
ドーピングを試してみた!だけの導入から、いつのまにか国家レベルの話に…
Netflixで、ドーピング問題を扱った面白いドキュメンタリー映画が配信されているときいて視聴してみた。これがびっくりするくらい面白かったので、久々に感想を書いてみる。
まず導入から面白い。監督自身がアマチュアロードレーサーで、ロードレースを始めたきっかけはグレッグ・レモンだ。そしてランス・アームストロングのファンでもあったのだけど、数年前に彼がドーピングを認めたことにショックを受ける。ただ、アームストロングは一度もドーピング検査に引っかからなかったという事実にも関心を持っていた。もしかしてドーピング検査ってザルなのでは?と考えたわけですね。
以前、1ヶ月間マクドナルドを食べ続けるとどうなるか監督自身が試してみた「スーパーサイズ・ミー」というドキュメンタリ映画があったけど、同じような着想で、自分でドーピングを試してみてレース時の検査にひっかかるか試してドキュメンタリーにすることを思い立つ。
で、やるからには適当にドーピングを試すだけじゃなく、専門家の意見を取り入れて、より実践的なドーピングを実施することに。その相談役として白羽の矢がたったのが、ロドチェンコフというロシア人。スカイプでやり取りするとき、なぜかいつも上半身裸のおっさんなんだけど、ドーピングには的確なアドバイスをする。それなりの期間計画的なドーピングを行い、そしてアマチュアレースとして過酷なことで有名なレースに参加するが…というのがこの映画の前半部。
ここまでもなかなか面白いんだけど、怒涛の展開になるのはここから。なんとこのロドチェンコフ氏、ロシアのスポーツ界に蔓延するドーピング疑惑の中心人物だった!
このドキュメンタリを撮るために、意図的にロドチェンコフに近づいたわけじゃなくて、撮影が進む中で、ドイツからロシアへのドーピング問題の提訴があって、WADA(世界アンチ・ドーピング機関)による調査が始まって、ロドチェンコフもその調査の対象になり、身の回りも危険になって…というのがリアルタイムで進行していく。その緊張感といったら。
ドーピング問題を扱った話でいえば、以前読んだシークレットレースという告発小説がめちゃくちゃ面白かったんだけど、あの話ではロードレースという競技内だけのドーピング話だった。対して、この映画で語られるのは国家ぐるみで行われたドーピング話で、そもそもにして話の規模が違う。なんというか、開いた口が塞がらないというか…。終盤に語られる話がどこまで真実なのかはわからない。ただし、WADAがこの話を信じるくらいの説得力があった。
しかし、まさか監督のちょっとした思いつきが、こんな大きな話にまで展開するとは思わなかった。映画の作り手からすると運にも恵まれたと思うけれど、それをしっかりしたドキュメンタリー映画に仕上げた手腕は間違いないと思う。Netflixに加入しているなら、ぜひとも一度鑑賞してみてほしいな。
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