レディ・バードのレビュー・感想・評価
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特別ではないが、二度と戻らない青春
少し背伸びして大人ぶってみても、すぐに子供に引き戻される、ということを繰り返しながら徐々に成長していくという、誰にでもある青春時代。
大人になってからは全く感じなくなってしまう独特の感性を、主人公の女子高生と母親や友人たちとの微妙な人間関係を通して紡がれていく。
遠い記憶の底に眠っていた自らの青春の記憶と重ね合わせ、思わず感情がこみ上げそうになった。。。★
別に普通ですけど
評価がものすごく高いらしいですが、アメリカの地方都市の普通の女子高生がちょっと悩みながら大学に進学するまでのお話で、こういうのが好きな人もいるだろうことは理解するものの、それほど取り立てて言うほどの作品ではないです。まあ90分にまとめたところは評価しますが、全く退屈な映画です。
お話だけなら一点ですが、アメリカの何の偏屈もない地方都市の風情がよく伝わってきたところはVery Americanなので二点にしときました。
レッド色に染めた髪が似合ってる
シアーシャ.ローナンが等身大で
個性豊かに演じています
ハツラツとして弾けていて
ファンとしてはよかった
多感な高校生レディバード
大人に近づいていく心の葛藤
心模様を描いている
誰もが経験する寂しさ不安な気持ち
…旅立ち 生まれ育った地から離れて
新たな世界が待っている
…カッコいい
ティモシー.シャラメも出てます
オチが完璧!
レディ・バードはとてもやさしい子
友達、先生、家族、みんなやさしい
親の愛をたくさん受けて
やさしくて快活な子に育ってる
清廉性に欠けた行為や
過度ないたずらが作中に散らされているけれど
それらは多くの人々が連想できそうな、
あるあるエピソードの連続で
暗澹な気持ちになることは皆無、
終始クスクスと笑えたし
ずっと穏やかな気持ちで最後まで鑑賞できた
レディ・バードになりたい17歳のクリスティン、
18歳になり羽化して、
遂にはレディ・バードからクリスティンへ
あのラストの締め括り方はお見事!
と唸ってしまった
我が娘達はいつも
親の膝に座りたいとせがむ程に
とても幼いけれど、
いつか訪れる彼女達の青春を
想い馳せてしまうくらいに
良質な作品で満足できた
「わかる〜!」ってなる作品
多分好みじゃなくて退屈しそうとかシアーシャ・ローナンのJKに違和感しかないと思いながら観たけどとっても良かったです
とにかく主人公とその母、2人の気持ちがわかるんです
窮屈に感じる家庭や学校、友達、恋愛事情、田舎から出たいなどなどのJKならではの気持ちと、いろいろ口出ししてしまう裏側にある娘への母の愛情
ラストは心地好い感動に観て良かったとしか思えない作品になりました
女学生青春映画
シアーシャローナンが出れば、それすなわち良質映画。
と思っているけれど、今回もそれは継続された。
ブルックリン、ストーリーオブマイライフと映画ってやっぱりいいね!と思わされる作品ばかりだ。(昔はアクションもしていたようだ)
学生服、校則文化が日本人には馴染み深く、共感できる点も多い。お母さんと学生時代に揉めた女性であれば、さらに共感できそうだが、男性なら果たして?
90分ほどの尺に、学生時代の機微を盛り込んだ小気味よい映画鑑賞時間。
監督の腕ですね。初監督との事なので次回作も期待。
繊細でみずみずしい
特別なことが起こるわけではないのに、何故か泣けてきてしまう。
繊細でみずみずしい映画。
そうだ、大人になる前ってこんな感覚だった、と、大人になってしまった私には懐かしすぎて、美しすぎる。
自分の居心地のよい場所と親とのちょうどよい距離感を、暗中模索しながら、苦労しながら、だんだん大人になっていくのだよね。
主人公演じる女優さんの演技もすごくいい。
人の心って、そういえばこんなにやわらかく繊細なものだった。
ラスト近くの讃美歌の歌声がとても心に染みる。
美しい映像と相まって、いつの間にか心が洗われた。
生きる力が湧き出るかのような映像
映像がとにかく美しいです。自分が希望に溢れてこの先の未来がただ楽しみで、目に映るもの全てが輝いて感じる、そういった美しさです。つまりただ美しいものを写す美ではなく、その辺に転がっている石ころやゴミも美しく感じてしまう日もあるでしょう、全編を通してそういう映像です。それは故郷を愛さざるを得ない出身者特有の視点から生じるノスタルジーがそうさせるのだと感じます。
登場人物の表情にグッと寄せる演出が少なく、客観的な映像が多いのでドキュメンタリーの様でもありました。
主人公はとにかく正直で、包み隠さないタイプ。しかし観客が不快にならない一線を決して越えない絶妙なバランスで描かれていました。家族の話、学校の話、つまり彼女の人間関係のお話がメインで、それらの人間関係が彼女の内面に及ぼす影響が主題でした。受験や私立校やらの話はあくまで設定としての存在でした。影響というのはつまり成長、もっと平たくいうと「一皮剥ける瞬間」ですね。それは常に観客が見たいと感じるもので、まさにその需要を満たすものでした。
レディ・バード
『6才の僕が、大人になるまで』を思い出す。
彼女の周りばかり気にする姿が、自分の好きなように生きようとする姿に変わっていく様が見事。
引っ越しの準備で壁紙を白に塗り直すシーンは、過去の自分から変わろうとしている象徴的なシーン。
娘の旅立ちに対する母の複雑な心境。それでも愛情があるのは確かだった。
父親もすごく良い。いつでも娘に寄り添っていた。
冒頭の車内で口喧嘩をするシーンが2人の関係性を強調していて、かつテンポが良い。かなり好きなシーン。
全体的にテンポがよい。
JK✨
女性の人生で一番瑞々しい高校生時代
毎日が濃くて長い、そして深い
感性が敏感で成長期であり、能力が一番発揮される細胞活性期
あたしも人生振り返ると一番内容の濃い時期が
高校生、辛く傷ついた時期でもあったから
思い出したくないこともあるけど
心の中は一番輝いていたかもしれない
あの頃の自分がなかったら今の自分はない
国内外問わずJK映画は好き、大人気ないほど好き♡
娘が高校卒業する時、JKとも呼べない、短いスカートの制服も着れない、と思ったら
あたしまで悲しかったな〜
この映画のママは子育てを楽しめていなさそうで可哀想だった…母娘とも
でも心情はわかる
これもA24か…
瑞々しい感情が合間合間に溢れてた
途中からあぁ、サクラメントにはこんな田舎町があるんだ。この町にはこんな子が住んでいてこんな学生生活を送っていて友達や彼氏はこんな人達なんだ。と実際の事として受け止められる自分がいた。
誰かと知り合ってお互いの話をしていつの間にか相手の半生を知ってしまったみたいな、、、
町の外に出てはじめて自分をつくった故郷の生活が自分のアイデンティティになる。環境をかえることで反発していた過去がバックボーンであり自分を待っていてくれる場所になる。彼女目を通すと親とふるさとってとても似ている。
何だか違うこと、やっぱり必要なこと、なりたいイメージ、あの人のあり方、彼女を通して色んな人とも話しをしたような。
経験することって人を育てるんだなってしみじみ感動してしまった。
翔けレディー・バード
カリフォルニアの田舎町サクラメントにいる
女子高生の物語。
特別な自分になりたくて、もがいてぶつかって失敗しての物語。
シアーシャ・ローナン演じるレディー・バードが
今時的な真っ直ぐさと純粋さで全力でぶつかっていく姿は昔の自分を彷彿とさせます。
自分自身、大学進学を機に田舎から都会に出てきたので
気持ちが痛いほど分かり、飛行機で東海岸に出発するシーンは「いろいろあるけど、頑張れー」と思いました。
母娘喧嘩
本作でのシアーシャ・ローナンはちょっと中性的な感じもして、ちょいダメ感も滲み出ている。その割にヘッジズにシャラメって面食いですね。お話の本線は、喧嘩ばかりの母親から適度な距離感が保てるようになる(親離れする/大人になる)というふうに捉えました。ただ彼女が好きかというとあんまりなんですよね。
「どちらかというと、親友のぽっちゃりさんに目が行きます」と鑑賞当時にお友達に送った感想メールに書いてありました。ビーニー・フェルドスタインは次作の『ブックスマート』が高評価のようなので嬉しいです。ワシが育てた(違います)。
豊かです
この映画の骨子は母親への愛情と郷愁だと思います。母子の基調となる物語はガラスの動物園や蜜の味などに通じる普遍性がありました。いわば、いつの時代にもあった、思春期から大人への成長のドラマです。グザヴィエドランの描く母親にも重なります。ただし描写はフレッシュで独自のものでした。
正直なところ、これだけ豊かなペーソスを女優が表現しえたということに驚きがありました。とうぜん元々才能豊かな人だったのでしょうし、良人ノアバームバックや20th Century Womenへの出演経験などから得た情緒も垣間見えますが、ほとんど初回作といえるレディバードに、すでに監督グレタガーウィグの意匠がありました。
顕著なのはキャラクタライズだと思います。一見よくあるティーンのドラマですし、父母/兄/友人/先生(シスター)/彼氏などの配置も普通ですが、ディティールには通俗を用いません。母の厳しさも父の優しさも、兄のミゲルとその彼女シェリーも、ゲイのダニーも遊び人のカイルも、微妙に癖があります。ただし同時に普遍性も併せ持っています。とてもリアルなのです。
いったんは背伸びして処女も捨てますが、プロムの晩、元の親友ジュリーのところへ戻ってきたレディバード/クリスティンは、一皮むけてまっすぐな気持ちになっています。
口うるさい母の愛情に気づいて寛容になりますが、すれ違うようにしてNY行きと重なってしまうのです。
母への贖罪の気持ちと郷愁から、着いてすぐ急性アルコール中毒になり救急車で運ばれます。
留守電にはじめて入れたメッセージは、ほんとは大好きだったサクラメントの街並みと母への感謝でした。
おそらく白眉となるセリフは鷹揚なシスターサラのレディバードに対する分析だと思います。彼女は地元を毛嫌いする彼女の論文を読んで彼女がじつは地元サクラメントを愛していることを見抜くのです。レディバード/クリスティンは「ペイアテンションしてるだけ」と言いますが、シスターは「同じことだと思わない?「愛情」と「注意を払う」って」と金言します。
すなわちそれが母に対する愛情と重なってきます。クリスティンは煙たいと感じながら、いつでも母に注意を払ってきました。母も地元も、本当は大好きなのです。それがラストシーンへ生きてきます。
しかしこんな精彩のある情緒を当時33歳の女優が書いて撮っているわけです。
ぜんぜん関係のない話ですが、昔の人が洋画を見て「戦争負けるのは当然だと思った」という話をよく聞いたものです。
ただし、優れた米映画を見たとき、戦争もない今の時代に、戦争も知らない私が「あ~、やっぱ戦争負けちゃうわけだよね」と思うことがあります。
そんな映画でした。
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