レディ・バードのレビュー・感想・評価
全176件中、21~40件目を表示
特別ではないが、二度と戻らない青春
別に普通ですけど
レッド色に染めた髪が似合ってる
オチが完璧!
レディ・バードはとてもやさしい子
友達、先生、家族、みんなやさしい
親の愛をたくさん受けて
やさしくて快活な子に育ってる
清廉性に欠けた行為や
過度ないたずらが作中に散らされているけれど
それらは多くの人々が連想できそうな、
あるあるエピソードの連続で
暗澹な気持ちになることは皆無、
終始クスクスと笑えたし
ずっと穏やかな気持ちで最後まで鑑賞できた
レディ・バードになりたい17歳のクリスティン、
18歳になり羽化して、
遂にはレディ・バードからクリスティンへ
あのラストの締め括り方はお見事!
と唸ってしまった
我が娘達はいつも
親の膝に座りたいとせがむ程に
とても幼いけれど、
いつか訪れる彼女達の青春を
想い馳せてしまうくらいに
良質な作品で満足できた
「わかる〜!」ってなる作品
女学生青春映画
繊細でみずみずしい
生きる力が湧き出るかのような映像
映像がとにかく美しいです。自分が希望に溢れてこの先の未来がただ楽しみで、目に映るもの全てが輝いて感じる、そういった美しさです。つまりただ美しいものを写す美ではなく、その辺に転がっている石ころやゴミも美しく感じてしまう日もあるでしょう、全編を通してそういう映像です。それは故郷を愛さざるを得ない出身者特有の視点から生じるノスタルジーがそうさせるのだと感じます。
登場人物の表情にグッと寄せる演出が少なく、客観的な映像が多いのでドキュメンタリーの様でもありました。
主人公はとにかく正直で、包み隠さないタイプ。しかし観客が不快にならない一線を決して越えない絶妙なバランスで描かれていました。家族の話、学校の話、つまり彼女の人間関係のお話がメインで、それらの人間関係が彼女の内面に及ぼす影響が主題でした。受験や私立校やらの話はあくまで設定としての存在でした。影響というのはつまり成長、もっと平たくいうと「一皮剥ける瞬間」ですね。それは常に観客が見たいと感じるもので、まさにその需要を満たすものでした。
レディ・バード
JK✨
瑞々しい感情が合間合間に溢れてた
途中からあぁ、サクラメントにはこんな田舎町があるんだ。この町にはこんな子が住んでいてこんな学生生活を送っていて友達や彼氏はこんな人達なんだ。と実際の事として受け止められる自分がいた。
誰かと知り合ってお互いの話をしていつの間にか相手の半生を知ってしまったみたいな、、、
町の外に出てはじめて自分をつくった故郷の生活が自分のアイデンティティになる。環境をかえることで反発していた過去がバックボーンであり自分を待っていてくれる場所になる。彼女目を通すと親とふるさとってとても似ている。
何だか違うこと、やっぱり必要なこと、なりたいイメージ、あの人のあり方、彼女を通して色んな人とも話しをしたような。
経験することって人を育てるんだなってしみじみ感動してしまった。
翔けレディー・バード
母娘喧嘩
豊かです
この映画の骨子は母親への愛情と郷愁だと思います。母子の基調となる物語はガラスの動物園や蜜の味などに通じる普遍性がありました。いわば、いつの時代にもあった、思春期から大人への成長のドラマです。グザヴィエドランの描く母親にも重なります。ただし描写はフレッシュで独自のものでした。
正直なところ、これだけ豊かなペーソスを女優が表現しえたということに驚きがありました。とうぜん元々才能豊かな人だったのでしょうし、良人ノアバームバックや20th Century Womenへの出演経験などから得た情緒も垣間見えますが、ほとんど初回作といえるレディバードに、すでに監督グレタガーウィグの意匠がありました。
顕著なのはキャラクタライズだと思います。一見よくあるティーンのドラマですし、父母/兄/友人/先生(シスター)/彼氏などの配置も普通ですが、ディティールには通俗を用いません。母の厳しさも父の優しさも、兄のミゲルとその彼女シェリーも、ゲイのダニーも遊び人のカイルも、微妙に癖があります。ただし同時に普遍性も併せ持っています。とてもリアルなのです。
いったんは背伸びして処女も捨てますが、プロムの晩、元の親友ジュリーのところへ戻ってきたレディバード/クリスティンは、一皮むけてまっすぐな気持ちになっています。
口うるさい母の愛情に気づいて寛容になりますが、すれ違うようにしてNY行きと重なってしまうのです。
母への贖罪の気持ちと郷愁から、着いてすぐ急性アルコール中毒になり救急車で運ばれます。
留守電にはじめて入れたメッセージは、ほんとは大好きだったサクラメントの街並みと母への感謝でした。
おそらく白眉となるセリフは鷹揚なシスターサラのレディバードに対する分析だと思います。彼女は地元を毛嫌いする彼女の論文を読んで彼女がじつは地元サクラメントを愛していることを見抜くのです。レディバード/クリスティンは「ペイアテンションしてるだけ」と言いますが、シスターは「同じことだと思わない?「愛情」と「注意を払う」って」と金言します。
すなわちそれが母に対する愛情と重なってきます。クリスティンは煙たいと感じながら、いつでも母に注意を払ってきました。母も地元も、本当は大好きなのです。それがラストシーンへ生きてきます。
しかしこんな精彩のある情緒を当時33歳の女優が書いて撮っているわけです。
ぜんぜん関係のない話ですが、昔の人が洋画を見て「戦争負けるのは当然だと思った」という話をよく聞いたものです。
ただし、優れた米映画を見たとき、戦争もない今の時代に、戦争も知らない私が「あ~、やっぱ戦争負けちゃうわけだよね」と思うことがあります。
そんな映画でした。
全176件中、21~40件目を表示