「事実が演出する強烈な人間ドラマ」タクシー運転手 約束は海を越えて kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
事実が演出する強烈な人間ドラマ
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1980年に起こった光州事件が舞台。事件を取材しようとしたドイツ人記者と、記者を乗せることになったタクシー運転手の話。
事件のことは何冊か本を読み、映画も観たので、ある程度のことはわかっていたが、映像で見るとまたこみ上げるものがある。お姉さんがおにぎりをくれるシーンからウルウルきてしまった。
軍人たちに殴られ、挙げ句の果てに銃で撃たれる市民たち。お金のためだけに光州に行った運転手でなくても、この現実に直面すれば、正義感を呼び起こされてしまう。後半は涙腺が壊れてしまったらしい。ふとしたシーンでもこらえることができなかった。
光州事件をこんな描き方ができるようになったことに時代の流れを感じる。彼らの自己犠牲は間違ってなかった。
蛇足だが、トランクにあったプレートを見逃した軍人や、タクシーと軍車のカーチェイスなど、映画的演出はもう少し抑えても十分いい映画だったのになと思った。何台ものタクシーはどこから来たのよ!?
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Rosaさんのコメント
2019年3月31日
今、公開されてる「ペパーミント・キャンディ」という映画を観ると、弾圧した兵士の側も、光州事件で深い心の傷を負わされたことがわかります。徴兵で、たまたまその時に軍隊にいた若者も駆り出されていたみたいです。
kenshuchuさんのコメント
2018年5月4日
軍人の件が実話ってのは意外でした。
光州出身の軍人は行かさなかった気がするんです。躊躇するだろうから。
市内で市民を弾圧していた軍人ではないので少しは冷静だったのかもしれないですね。