「こどもの持つ「気づき」と「残酷さ」も」こどもしょくどう chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)
こどもの持つ「気づき」と「残酷さ」も
他の人より優越感を感じたいし、集団からはみだしてまで「正義感」ももてない おとなになってから日々感じているこのようなことは、実は幼いころから身についていたのだろう 他の家の生活・家庭環境と我が家とを比較する中で「あの家より恵まれている」ことで優越感や「自信」を持つ、そんないやらしさを振り返り、人の親になった今でもそんな気持ちを子どもに持たせていないか、と思いました 子どもには自分の力ではどうにもできない「枷」のようなものがあって、時にはそれに苦しみ、もがく 同じ子ども同士だからその「枷」に目をつぶらず一緒になって寄り添う姿もとれる お金だけでは測ることのできない「寂しさ」が、子どもの生活に横たわっている お金がなくて食べるものがないから「こどもしょくどう」ではなくて、こどもが誰にも打ち明けられずに引きこもってしまう、「あきらめ」に慣れてしまうその「枷」や「殻」を解き放つ場所としての「こどもしょくどう」の必要を訴えるものであったと思います こどもたちが喜ぶのをみて自分の存在を確認する(スタッフである)おとなたち、吐き出すことができずにこどもにあたってしまう親たち、こどもだけのためではないそんな集うことのできる「しょくどう」が次々できて欲しいですね 他人より優れているというつまらない優越感から、「少しの勇気」を出すことの尊さを感じる映画でした セリフは少ないけど姉妹の姉を演じる鈴木梨央ちゃんの表情、いっぱい泣きました
虐待やネグレクトは警察や児童相談所に通報して一件落着ではなくて、普段の私たちの生活の中に「少しの勇気」を投げかけてくれました
地元大阪での公開が待ちきれず先行公開されていた名古屋で観ましたが、平日午後50人定員の劇場でも年配の方ばかり6割埋まっていました(3月28日 名演小劇場にて鑑賞)