「平成こども映画の傑作」こどもしょくどう 光男さんの映画レビュー(感想・評価)
平成こども映画の傑作
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主人公、ユウトは言ってしまえば傍観者だ。いじめられている友人をちゃんと助けることができない自分にも、そしてかまってあげて、気遣っている”ふり”をしている大人たちに対しても、その不満をぶつけることなく、なんとなくやり過ごしている傍観者。日本人のほとんどがこのタイプなのではないだろうか。
昭和以前の時代であれば、このような少年が主人公になるとするならば、わかりやすく最後にレギュラーになるなり、代打でホームランをかっ飛ばす等大活躍してハッピーエンド、となるのだろうが、この映画はそうではない。最後はとても切なく、そして、まぁ人間なんてこんなもんだ、というような結末なのだが、それが逆にとても深く心に残った。最後に舞台であった食堂が”子ども食堂”を始めるのと同時に、映画は終わる。観ている我々も何かできることがあるのでは?と製作者たちに問いかけられているような気持ちを残して。
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